ブルーノ・リグット(1945年生まれ)は伝説のピアニスト、サンソン・フランソワの唯一の弟子。師の十八番だったショパンを中心にした演奏活動を行う傍ら、後進の育成にも熱心で日本人を含めてたくさんの門下生がいます。そんなリグットの久々のソロアルバムが登場、曲目はやはりショパンで2019年2月収録のノクターン集です。かっちりしたタッチが形作る骨格の明瞭な響きの上に艶っぽい光沢のある色彩が花開き、曲が進むほどに引き込まれます。ちょっとしたテンポの動きや強弱の加減の妙に師からの影響が覗きます。また作曲順に並べた曲順がアルバム全体に芯を通す効果をあげています。充実度の高い内容です。