INTERVIEW

ジャズ・ピアニストのスガダイローがダンサー・田中泯ら3人の表現者と〈対決〉! 即興プロジェクト〈秘境/魔境〉を語る

SUGADAIRO PROJECT Vol.2〈秘境/魔境〉

(c)梅原渉

「“俺が弾く音楽” を演れば、俺以上はいないんで」と笑うピアニストの注目三部作!

 即興家は手癖とどう向き合っているのか。「結構難しい問題ですね。本番中に出てきた手癖はなるべく憶えておくようにして、それを使わないようにあとで練習します(笑)」。スガダイローは続けた。「俺は手癖自体を否定しないし、リピートしたり、自分はこういうフレーズが好きなんだと気づいたりするのも音楽的だと想う。全くそういうものが出てこない音楽って、音楽には聞こえないんですよ」。あとは気持ちの問題だという。「また、コレを演っちゃった…とか、いつまでも囚われていると、クリエイティブな演奏が出来なくなっちゃうんで、その場を打破するために新しい出鱈目な弾き方を練習しますね」。

 SUGADAIRO PROJECT(三部作)@水戸芸術館で共演する(した)山下洋輔とは6回、田中泯とは4回の対決歴を持つ。「山下さん(ピアノ)とは結構近寄って演奏する感じだけど、泯さん(ダンス)とはいつも距離感が同じでそんなに近寄ったりしない。それぞれの関係性が面白いと思いますし」。共演歴ありの相手を迎える場合、ゼロに戻す意識が働くものなのか。「その意識もないし、そもそも憶えてない(笑)。封じ手? いや、なるべく自然にやりたいんで、禁じ手とかでわざと縛るのも不自然だし。不自然にやると上手くいかないタイプなんですよ、俺の場合」。素直で柔軟な勝負師である。

 「ジョン・ルイス? 好きですね。聴いて楽しいし、音楽でいろいろと工夫しているから。ソロ名義になるともう滅茶苦茶で、ある意味“冒険家”なんだと思う」「M.ウォルドロンとかS.モンクとか、ピアノを“あまり弾かない人”が好きなんですよ。だからO.ピーターソンなんかは入って来ないし、B.パウエルも最初は入って来なかったけれども、ブルーノート後期の体調が悪くて弾けてない作品を聴いたらスゲェと…絶頂期の『バド・パウエルの芸術』とかではなく、全然弾けてねぇ頃のやつね。壊れている系? ハイ、好きですね(笑)」。

 そんなスガが鈴木勲OMA SOUNDのメンバーとして最初に水戸を訪れたのが約10年前。「えらい盛り上がっていたのを憶えているし、水戸はいつ来ても妙なヤケクソ感があって好きですね」。来年1月28日開催のPROJECT Vol.2では、前出・田中泯が第2部「魔境」で踊り、第1部「秘境」ではスガ×近藤岳(オルガン)×有馬純寿(エレクトロニクス)という注目の即興パフォーマンスが観られる。「オルガンとピアノの共演はなかなかないから一見の価値があるし、音響の有馬さんとは昨年のサントリーホールで、(ツィンマーマン晩年作の日本初演に)クインテット参加した際に知り合って以来の付き合いです」。さて、来夏のVol.3はどんな相手との対決となるのか?!


LIVE INFOMATION

SUGADAIRO PROJECT vol.2「秘境/魔境」
○1/28(土)18:30開演
会場:水戸芸術館
出演:スガダイロー(ピアノ)/田中泯(ダンス)/近藤 岳(パイプオルガン)/有馬純寿(エレクトロニクス)

第1部「秘境」スガダイロー×近藤岳×有馬純寿(会場:エントランスホール)
第2部「魔境」スガダイロー×田中泯(会場:ACM劇場)

タワーアカデミー
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