90年代を彩ったシューゲイザーのパイオニアたちを巡る動きが加速するなか、先日アナウンスがあったライドに続き、なんとスロウダイヴも22年ぶりの新作『Slowdive』を5月5日(金・祝)にリリースすることを発表! 収録曲“Sugar For The Pill”のミュージック・ビデオが公開された。

SLOWDIVE Slowdive Dead Oceans/HOSTESS(2017)

89年にUKレディングで結成されたスロウダイヴは、のちにベスト盤のタイトルに冠せられた名曲“Catch The Breeze”を収録した91年の『Just For A Day』でアルバム・デビューを飾る。ブライアン・イーノも参加した2作目の『Souvlaki』(93年)はシューゲイザーを象徴する人気作で(Pitchforkが昨年公開した〈The 50 Best Shoegaze Albums of All Time〉で3位)、アンニュイな美メロと浮遊感のあるサウンドは、ビーチ・ハウスからシガレッツ・アフター・セックスへと連なる近年のドリーム・ポップを通過した耳にも新鮮に響くはずだ。

91年作『Just For A Day』収録曲“Catch The Breeze”
 
93年作『Souvlaki』収録曲“Alison”
 

さらにその後、シューゲイザーという概念の拡張に挑んだ3作目『Pygmalion』(95年)を発表。エクスペリメンタルな作風を推し進めることで、ミニマル・アンビエントな枯淡(涅槃?)の境地に辿り着いた同作は、トーク・トーク『Laughing Stock』(91年)に並ぶ〈早すぎたポスト・ロック〉だったと言えなくもない。そしてバンドは同年に解散。モハーヴィ3や各自のソロ活動など、メンバーは別々の道を歩んでいくこととなる。 

95年作『Pygmalion』収録曲“Blue Skied An' Clear”

 

そこから長い沈黙を経て、バンドは2014年に再結成を果たすと、同年の〈フジロック〉では堂々たるパフォーマンスで〈RED MARQUEE〉に駆けつけた超満員のオーディエンスを魅了。いよいよリリースされる新作『Slowdive』は、中心人物のニール・ハルステッドがみずからプロデュースを行い、クリス・コーディー(ビーチ・ハウス、トバイアス・ジェッソ・Jrなど)がミックスを手掛けたという。現時点で発表されている2つの新曲は、新人バンドのデビュー作だと言われても信じてしまいそうな瑞々しい響きに恍惚とさせられる。

■2017年4月7日追記
スロウダイヴの〈フジロック〉出演が決定、詳細はこちら

ニュー・アルバム『Slowdive』収録曲“Star Roving”