INTERVIEW

ジェフ・パーカー『The New Breed』 トータスのギタリストによるソロ作 ~音楽にある“スペース”を愛し、それを作る

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  • 2017.07.10
写真提供/COTTON CLUB 撮影/米田泰久

トータスのギタリストによるソロ作 ~音楽にある“スペース”を愛し、それを作る

 真性ジャズ・ギタリストにしてシカゴ拠点のポスト・ロックの大御所グループであるトータスのメンバーでもある、ジェフ・パーカーの新作『ザ・ニュー・ブリード』がひたすらすごい。ヒップホップが持つ非予定調和な感覚を研ぎ澄まされたジャズ感覚を介して描いたようなアブストラクトな聞き味は、見事というしかない。

JEFF PARKER The New Breed International Anthem/HEADZ(2016)

 「前からヒップホップが好きだったんだけど、今回はジャズとヒップホップを繋ぐような音楽を作りたかった。そして、ジャズが好きな人にはヒップホップの美点が感じられ、ヒップホップが好きな人はジャズも楽しめるというものにしたかった」

 聞けば、彼は10年も前からサンプラーなどの機材を用い、自ら多重録音をしていたのだという。そして、在シカゴのイメージの強い彼だが、現在はLAに住んでおり、その環境の変化も新作には投影された。

 「妻がカリフォルニア芸術大学で映画を教えていて、LAとシカゴを行ったり来たりしていた。でも、息子が5歳になり学校に通うようになったことや、二重生活が大変だったこともあり、LAに居を移したんだ。シカゴの外でしかできない音楽にもトライしたかったんだけど、実際LAで作っていなかったら、今作はこんな仕上がりにはならなかった」

 アルバムは自己スタジオで作り上げたデモを下敷きに、ジャマイア・ウィリアムスら在LAの奏者達と生演奏。その後、ポスト・プロダクションにも周到にあたることで完成を見た。

 「一人で作ったデモとミュージシャンたちで演奏するものが、同じに聞こえるものもあったな。即興もしているけど、その即興も元々作ったデモの佇まいを壊さないように留意した。サンプル基調の音楽と即興をブレンドさせるさじ加減が難しかった」

 また、彼は今作で求めたものを、以下のように説明もした。

 「僕は音楽にあるスペースを愛し、それを作りたい。たとえば、マイルス・デイヴィスは音楽にスペースがあり、アンビエンスがあった。だからこそ、彼の音楽は僕にとってとても大切なものであり続ける。そんなことを意識しながら、今回のアルバムを作ったんだ」

 その話を聞いてぼくが思わずにはいられなかったのは、『ザ・ニュー・ブリード』はパーカーにとっての『イン・ア・サイレント・ウェイ』ではないかということ。同作はマイルス・デイヴィスの経歴中もっともアシッドかつアンビエントな大飛躍作である。それを伝えると、「わあ。それは破格の褒め言葉だ」と、彼は微笑んだ。そんなパーカーは『ザ・ニュー・ブリード』を自己バンドで披露するために、8月に来日する。

 


LIVE INFO.

ジェフ・パーカー & ザ・ニュー・ブリード
○8/14(月)-16(水)18:30・21:00開演(2ステージ)
会場:コットンクラブ
メンバー:Jeff Parker(g,sampler)、Josh Johnson(sax,key)、Paul Bryan(b,key)、Jamire Williams(ds,sampler)
www.cottonclubjapan.co.jp/

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