ホームカミングス福富のニューキッズオンザブロック! From中立売

いよいよ今週末!な〈New Neighbors vol.2〉と、僕の人生を変えたSF映画についてのコラム「金曜/土曜/日曜/」

  • Share on Tumblr
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2017.11.10

みなさんおはようございます、そして会えない時のためにこんにちは、こんばんは、そしておやすみなさい。Homecomingsの福富です。〈ストレンジャーシングス2観た?〉っていうのが最近の挨拶みたいになっております。観た? デモドッグとダスティンの友情たまんねー。あとプロムのシーンで流れる“Time After Time”ね! ゲーセン行くたびにディーヴォ流れるのもワクワクしちゃいますね。

ストレンジャー・シングスの町の感じを観てるとヨラテンゴのこのアルバム思い出す。ジャケットがね。この間新宿のユニオンでレコードを見つけて嬉しかった。そのほかにもレコードいっぱい買ったけど、京都に帰ってくる車内で、ほなちゃんかなるちゃんがお尻に敷いてたっぽくて、全部端っこが思いっきり折れ曲がってて落ち込んだ。

ヨ・ラ・テンゴの2000年作『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』収録曲“Our Way To Fall”
 

さて、僕たちHomecomingsと友人でありジャケットからなにからお世話になりまくりのイラストレーター・サヌキナオヤ氏による映画とライブのイベント〈New Neighbors〉の第2回が遂に今週末に開催! @は前回と変わらず京都みなみ会館。上映するのはセオドア・メルフィ監督の「ヴィンセントが教えてくれたこと」。僕がもう好きで好きで仕方がない最高のおじちゃんことビル・マーレイが主演のめちゃくちゃいい映画です。このコラムの第1回に書いた「さよなら、ウェイヴ ~センチメンタル・ビデオ・ショップ・ストーリーズ」にも登場する、個人的に思い入れありまくりの作品で、今からとても楽しみ。

なんと今回はグッズも作りましたのでそちらも要チェック! ナインストーリーズ×〈New Neighbors vol.2〉のトートバッグにサヌキさんのgoodイラストが光るオリジナル・ノート! どちらも実際に手に触れてみてほしいです。そんでもって前回に引き続きZINEの方ももちろん作っておりますので! 今回も読み応え抜群。僕の〈(観たことがある)ビル・マーレイ出演映画全レビュー〉をはじめとして、お世話になりまくりのGucchi's Free School降矢教頭、イラストレーターのcolliuさん、放送作家の竹村武司さんに加えて、シャムキャッツ、ミツメ、ハイハワユー?原田くんというナイスな面々に色々書いてもらってます。更に僕たちの新曲(当日に初披露!)の歌詞とサヌキさんのナイスすぎるイラストのページもあり。はち切れんばかりの内容でっす! 買ってくれ~!

 

―――――ここでちょっと休憩――――――

最近出たペタルの7インチ“Comfort”が季節も相まってめちゃくちゃ良いです。

あとジュリアン・ベイカーの新譜『Turn Out The Lights』もめちゃくちゃ良かったです。来日嬉しい。

スーパーカーのレコード、こりゃ高ぇ~と思いながらもまんまと買ってしまった。多分全部買うなこれ、とレジで思った。

――――――――――――――――――――

 

せっかくなんで映画にまつわるコラムをいくつか、と思って書き出したら全然うまくまとまってない文章がいくつかできてしまってどうしたもんかな、と思ったけどせっかく書いたから是非、寝る前とかに読んでください。週末の映画の話。まずは「金曜/土曜/日曜/」「土曜日」の2編。「金曜日」編と「日曜日」編もそのうちに。   

 

「金曜/土曜/日曜/」 

僕が小学生だった頃、週末に夜には決まってテレビで映画が流れた。金曜日から日曜日。ちゃんとそれぞれの曜日に流れる映画に特徴というか、色分けがしっかりされていた。

金曜日はその名も〈金曜ロードショー〉で夜9時になると昔の映画音楽と共に映写機を回すタキシードを着たおじさんのアニメーションが決まって流れた。黄土色のバックに映写機とおじいさん。横向きのおじいさんがテレビの画面に気づいてこっちを向いて挨拶すると、画面が映写機の方にズームしていって、そこでその夜流れる映画のタイトルがどんっと出て来る。僕は幼心にこのシーンが大好きだった。ジブリの映画は大抵〈金曜ロードショー〉で観た。「カリオストロの城」も「ラピュタ」も観終わった後に胸に残るのはジーンとしたとても心地の良い感動で、僕はそれこそが映画の一番の醍醐味だと思った。「ゴーストバスターズ2」「バックトゥザフューチャー」の衝撃も金曜日の夜。それはまた別のお話に……。

土曜日は〈ゴールデン洋画劇場〉だったり〈土曜プレミアム〉だったり、ころころと名前が変わった。他の曜日に比べると日本の映画が多かった。何よりも〈めちゃイケ〉と繋がってそのまま観ていられることが嬉しかった。あの頃の僕にとって、そして多分その頃の男の子みんなにとって〈めちゃイケ〉というものはこの世で一番面白いものであり、絶対に何があっても見逃してはいけないものだった。

日曜日は〈日曜洋画劇場〉。なにかっていうとグレネードランチャーとかガトリングガンみたいなものが出でくる映画ばかりが毎週毎週流れた。「バイオハザード」とか「トゥームレイダー」みたいな映画が多かった。毎週、日曜日の夜の映画だけはゲームボーイをしながら適当に観れるもの、ながら見していても、ある程度楽しめるものだった。それはそれで僕はとても好きだった。

テレビ台の下のガラスのケースにはお父さんとお母さんが昔から残してある録画した映画のビデオテープがぎっしりと並んでいて、そのどれもにしっかりと題名を書いたラベルが貼られてあった。「トータル・リコール」や「ビバリーヒルズコップ」、「メジャーリーグ」「トゥルーライズ」。映画のチョイスはなんとなくお父さんっぽいセンスだったけど、ラベルに書かれた映画のタイトルの文字はどう見てもお母さんの「文字だった。まだまだDVDやブルーレイの時代じゃなかった。毎週末の夜9時からの映画、お父さんに連れて行ってもらうレンタルビデオ屋さんのVHSの壁の中、そしてテレビ台の下の棚に並べられたビデオテープが僕にとっての映画だった。

 

「土曜日」

2001年のある土曜日、つまり僕が小学4年のある土曜日、その夜は珍しくとても古い感じの映画が流れるようだった。多分その時は〈ゴールデンシアター〉という名前だったと思う。さらに珍しく、その日は映画の前に解説の時間がしっかりと用意されていた。真っ白いセットにドンっと現れたのは竹中直人だった。ウォーターボーイズの人、と思ったのを覚えている。画面の中の竹中直人はやけに芝居がかっていて胡散臭かったけど、今から流れるこの「猿の惑星」という映画が本当に好きで好きでしょうがない、ということは伝わった。当時はあまり実感がなかったけど今思えばちょうどティム・バートンのリメイク作品が公開された時で、プチ「猿の惑星」ブームのようなものがあったのだと思う。とにかく僕はそれからの2時間、今まで味わったことのないような体験をすることになった。最後のシーンがじわっと暗くなり、唐突にガスター10だか何だかの明るいCMが流れてきた。僕はあまりのことに全く言葉が出なかった。「ゴーストバスターズ2」でスライムに覆われた美術館をぶっ壊したあの自由の女神が? ビル・マーレイに「彼女はニューヨークの港ギャルだぜ」とか言われてた、あの自由の女神が……。

僕はしばらくの間そのままCMが流れ続ける画面を見つめていた。そのCMすらもとても怖いものに思えてしまった。CMが終わって次週の予告が流れて、来週はこの続編が流れるらしかった。この映画に続編がある、ということがとてつもなく救いがあることで僕を何とか現実の世界に引き戻してくれた。猿のメイクアップがすごいとかそんなことはどうでもよくて、あのなんともいえない後味の悪いラスト、あの余韻が僕にとってはとても衝撃的だった。そんなものがこの世の中にはあるのか! どうしよう! じゃあ明日の映画は? もしかしたら今までがたまたまハッピーエンドの映画だっただけで、明日の映画の中ではニコラス・ケイジが爆発に巻き込まれてバラバラにすっ飛び、その次の日曜はシュワちゃんが本当は敵だと思ってたクローン人間そのものかもしれないし、そのまた次の週はブルース・ウィルスが実はもうとっくの昔に死んでて幽霊でした~なんてことが起こるかもしれないのか! だとしたらもうながら見なんて、もってのほかということになってしまう! どうしよう!

次の土曜日までの一週間はこれまで体験したどの時間よりも長かった。今のようにネットを使って調べることなんて考えもしなかったし、とにかくどんな物語になるか、そのちょっとしたかけらさえもあの町のどこにも落ちていなかった。いつものように〈めちゃイケ〉が終わり、派手なオープニングが流れた後、先週と全く同じ真っ白いセットが現れ、次々に様々な役に扮した竹中直人が出てきて、順々に「猿の惑星」の感想を語った。そんなものは心底どうでもよかったけど謎の熱量で喋りまくるこのおじさんを、僕はもう他人とは思えなくなっていた。最後にセットの中に全部の竹中直人のキャラが一堂に会して、解説のコーナーは終わり、ありがとうな、おじさん。俺は今からとんでもないであろうものを遂に観るよ、そして「続・猿の惑星」が静かに始まった。

それは本当にとんでもない映画だった。猿と人間と地底人と地下と宗教とコバルト爆弾と地球。そしてその頃にはすっかり虜になっていたあの後味の悪いラスト。それは僕の想像とそれまでの体験の遥か彼方を時速88マイルでぶっ飛んでく映画だった。いやいや、「続・猿の惑星」でしょ? あんなもんB級感を楽しむものでしょ、て声も聞こえてきそうなものだけど、iPhoneはもちろんインターネットの存在だっていまいち分かっていなかった小さくて静かな町の小4の男子にとって、その衝撃はとにかくとんでもないものだった。そして、そんな大興奮の少年にお母さんが手渡したのが星新一のショートショート、理論社という出版社から出ていた児童向けシリーズの第1巻「ねらわれた星」だった。ちなみに冒頭に収録されているのは「おーいでてこーい」。和田誠氏のイラストにも完全にノックアウト。僕は数日後には埃かかったワープロを押入れの奥から取り出し、自作のショートショートを書き出すようになったのだった。 

あの土曜の夜の映画は、好きなものを自分でも作ってみたい、という今にまで続く僕にとって一番大事な衝動のスイッチのようなものを押してしまったのだった。

 


Homecomings & Naoya Sanuki presents〈New Neighbors Vol.2〉

2017年11月11日(土)
会場:京都 京都みなみ会館
LIVE:Homecomings ※ACOUSTIC SET
映画上映:ヴィンセントが教えてくれたこと 
開場:15:00/開演:15:30
前売:3,000円(税込/整理番号付/自由席) ※3才以上チケット必要。2才以下のお子様は保護者の膝上観覧であれば無料。なお2才以下のお子様の入場制限はございませんが、周囲のお客様への配慮をお願いいたします。 

一般発売 プレイガイド:ぴあ (P : 345-686) / ローソン (L : 56262) / e+
店頭取扱い:JET SET KYOTO /Second Royal shop/FLAKE RECORDS/京都みなみ会館 /100000tアローントコ/誠光社
主催: Homecomings & Naoya Sanuki
制作: Second Royal Records/felicity
協力: みなみ会館
問合せ: SMASH WEST 06-6535-5569 smash-jpn.com
★詳細はこちら

【プロフィール】
福富 優樹

福富 優樹 (ふくとみゆうき)

京都の4人組バンド、Homecomings唯一の男子でギターと作曲と作詞をヴォーカル畳野と共に担当。普段はCD屋さんでせっせとレジを打っています。1番好きなバンドはスピッツかペイヴメント。好きな漫画は〈タンタンの冒険旅行〉シリーズかエイドリアン・トミネ。好きな作家はスチュワート・ダイベックで、好きな映画は「トゥルーマン・ショー」と「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」。

タグ
関連アーティスト