INTERVIEW

Serph × 細美武士―ジャンルを越えてリスペクトし合う2人が語る、いま音楽家にできること

Serph『Aerialist』

Page 2 / 2

やっぱりメロディーメイカーは普遍的なメロディーを探したい

――さきほどの細美さんのトップ40の話って、興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

細美「トップ40すげえなってひさびさに思ったのは、シーアの“Chandelier”。シーアは昔から聴いてたんだけど、あの人がチャートの上位にずっといるっていうのがまず衝撃で、それを音楽好きとして見ていたいと思ったし、インディーの底の方で発見するキラキラしたものと、同じくらいキラキラしたものがこっちにもあって、それに出会う確率はもう変わらないんじゃないかって、それで幅広く聴くようになりました」

――さきほどサブスク時代に伴う楽曲の構成の話がありましたが、細美さんのソングライティングにはどう影響していると言えますか?

細美「俺はやっぱりヴォーカルっていう立ち位置なので、メロディーとコーラスワークが重要で。初めて聴いたのに昔から聴いてる曲のように馴染んで、何回聴いても幸せになるみたいなのって、80年代で掘り尽くされたと思ってたけど、2015年くらいからまたそういうのが出てきたなって思ってて。やっぱり、メロディーメイカーは普遍的なメロディーを探したいんだと思うんですよ。オルゴールになるべき曲、みたいな。めっちゃ勝手な解釈なんだけど、これもEDM隆盛のおかげなのかなあと思ったりもします。コーラス・パートは、テーマ流して踊ればいいわけだから、それでサビ恐怖症が取っ払われて、もう一回新しくておもしろいコーラス・パートを作れるようになったのかもなんて(笑)」

――なるほど、確かに。

細美「シーアもコードワークはかなりシンプルな曲が多いけど、そんなことを微塵も感じさせないメロディーラインで、あんなのどこから出てくるんだろうって思う。ロックのミュージシャンが〈ジャスティン・ビーバーが好き〉っていうと変な顔されること多いけど、めっちゃ歌上手いし、やっぱりコーラス・ワーク新しくて。〈何だよ、やっぱまだまだあるじゃん〉って、今はすごくワクワクしてますね」

――今の話はぜひSeprhさんにもお伺いしたくて、普遍的なメロディーっていうのは間違いなくSerphの特徴のひとつだと思うし、あとは構成のおもしろさっていうのも初期から変わらないSerphらしさですよね。時代性も含め、実際どんなことを意識して楽曲を作っているのでしょうか?

Serph「自分はコード進行から作ります。そこから曲の構成、ビート、うわもの、アンビエンス、メロディーは最後に来る感じ。いちばん調子がいいときに、メロディーを打ち込みます。まあ、かなり本能的に作っているというか、そんなに分けて作っているわけではなくて、油絵を描くじゃないけど、全体のイメージを思いつくままにパソコン上に描いていくっていうか、その感じはずっと変わらないですね」

『Aerialist』収録曲“sparkle”
 

――ソフトウェアの進化が曲作りに影響を与えている部分はありますか?

Serph「エイブルトン・ライブを10年くらい使ってますけど、もともと入ってるシンセの音色とかは、アップデートごとに時代に合わせた音色になっちゃうので、そこは頼りにしないっていうか、あくまでキャンバスとして、そこには左右されないようにしてます」

――それよりも、何をサンプリングして、どう加工して、何と組みわせるかによって、Serphらしさを作り上げていくと。

Serph「はい、そういうことですね」

 

ロックスターになりたかった

――今日は細美さんからすると『vent』から8年越しでの初対面だったわけですが、音の印象と、実際の本人の印象と、いかがですか?

細美「Serphのしゃべり方と、しゃべってる内容の真摯さと、今の氷結ストロングを飲んでる絵のギャップがね、すげえおもしろいなって(笑)」

――僕はこれまで何度もSerphの取材をやらせてもらってるんですけど、これが基本スタイルです(笑)。

細美「音楽にこだわり強い人って、衣食にもこだわり強い人多いんだけど、Serphは自分と近しいものを感じたので、早めにわかりあえそうだなって」

Serph「初心で言えば、僕も細美さんみたいなロックスターになりたかったんです。でも、インストも好きだし、テクノもエレクトロニカも好きで、時代に翻弄されつつ(笑)、音楽はずっと好きで、今に至る感じなんです。だから、MONOEYESのDVDを観て、忘れていたものを思い出したっていうか」

――4年ぶりのライヴを2日後に控えた今日、こういう機会があったのはよかったですね。

細美「Serphの大好きな曲がかかったら、脳内の光景がLIQUIDROOMじゃなくなって、例えば俺で言えば、ナイル川のほとりになるような奴っていると思うんだよね。きっとそれぞれの心の中にそういうシーンがあって、みんながそこに飛んでいけるようなライブになれば最高でしょうね」

2014年のファースト・ライヴの映像
 

――MONOEYESは5月から対バン・ツアー〈Mexican Standoff Tour 2018〉がスタートしますが、どんなツアーになりそうですか?

細美「ロック・バンドのライヴなんて真面目にやらなくていいっていうか、普段の生活だと、先生に怒られる、お母さんに怒られる、社会からダメだって言われるけど、俺たちはそういう線をズカズカと乗り越えていけるんで、型にハマれる人はいいけど、ハマれない連中をかき集めて、その日だけは気ままに過ごせるってことをやっていたい。ちょっと破滅的な思考かもしれないですけどね。ちゃんとやって、未来に繋げましょうっていうよりは、〈あと何回こんなお祭り出来んだろう?〉みたいなレヴェルで、派手にやってたいですね」

――Serphのライヴも、細美さんのMCの言葉でいう〈人生の打ち上げ〉になるといいですよね。

Serph「ホントに、リスナー1人1人の人生の打ち上げになってほしいです。とにかく、楽しんでもらいたいですね」

 


MONOEYES Live Schedule
〈Mexican Standoff Tour 2018〉
5月1日(火)千葉LOOK 共演:アルカラ
5月7日(月)Zepp Sapporo 共演:HAWAIIAN6
5月13日(日)徳島club GRINDHOUSE 共演:G-FREAK FACTORY
5月15日(火)松山WstudioRED 共演:TOTALFAT
5月17日(木)Zepp Osaka Bayside 共演:ASIAN KUNG-FU GENERATION
5月18日(金)Zepp Osaka Bayside 共演:HEY-SMITH
5月21日(月)Zepp Nagoya 共演:マキシマム ザ ホルモン
5月22日(火)Zepp Nagoya 共演:Dragon Ash
5月28日(月)広島クラブクアトロ 共演:ROTTENGRAFFTY
5月29日(火)米子laughs 共演:GOOD4NOTHING
5月31日(木)福井CHOP 共演:GOOD4NOTHING
6月6日(水)福岡BEAT STATION 共演:キュウソネコカミ
6月7日(木)福岡BEAT STATION 共演:キュウソネコカミ
6月9日(土)佐賀GEILS 共演:Xmas Eileen
6月12日(火)熊本Django 共演:Xmas Eileen
6月15日(金)仙台GIGS 共演:androp
6月19日(火)新木場STUDIO COAST 共演:MAN WITH A MISSION
6月20日(水)新木場STUDIO COAST 共演:BRAHMAN
6月26日(火)郡山HIPSHOT JAPAN 共演:locofrank
6月28日(木)KLUB COUNTER ACTION 宮古 共演:locofrank
7月3日(火)石巻BLUE RESISTANCE 共演:LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS
7月5日(木)大船渡KESEN ROCK FREAKS 共演:LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS
7月6日(金)山形ミュージック昭和Session 共演:LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS
★各公演の詳細やその他のライヴ情報はこちら

関連アーティスト
40周年 プレイリスト
pagetop