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【Mikikiの歌謡日!】第8回 あいみょん、C.O.S.A.、King Gnu常田大希によるmillennium parade、田中ヤコブ……今週のトキメキ邦楽ソング

【Mikikiの歌謡日!】第8回 あいみょん、C.O.S.A.、King Gnu常田大希によるmillennium parade、田中ヤコブ……今週のトキメキ邦楽ソング

Mikiki編集部のスタッフ4名が〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする週刊連載、〈Mikikiの歌謡日!〉。更新は毎週火曜(歌謡)日、数無制限でNEWな楽曲を軸に、たまに私的マイブームも紹介していくので、毎週チェックしてもらえると思いがけない出会いがあるかもしれません。 *Mikiki編集部

 


【天野龍太郎】

C.O.S.A. “Death Real”

〈Musicは居場所で割り切れねえ〉。

C.O.S.A.は僕がいまいちばん好きなラッパーで、何をラップしても心の底からカッコイイと思える。というか、カッコイイことしかラップしないと思わされるような最高のリリシスト。TOKONA-Xの『トウカイXテイオー』もSEEDAの『花と雨』や『HEAVEN』もリリースから少し時間が経った後に聴いた自分にとって、C.O.S.A.が同じ時代を生きてラップしているという事実は本当に心強い。

フューチャリスティックなシンセサイザーの響き、太いベース、ゆったりと刻まれるビートは、〈Produced by C.O.S.A.〉。彼自身の手になるビートは言葉と同じに力強い。制作中だというアルバムが完成してSUMMITからリリースされたら、きっとこの国の景色は少しだけ変わるはず。それまで、僕はこの“Death Real”をリピートして待っています。

 

in the blue shirt “Fork in the Road”

サンプリング/プログラミングで作曲をしていたin the blue shirtが生演奏で挑んだ新曲。in the blue shirtことアリムラくんは確かthe band apartが好きだったはずで、この曲にはそういったところが出ているようにも感じる(会ったことないけど)。ビートはハチロクで軽快、2つのギターの絡まり合いとヴォーカル・サンプルがエモーショナル。“Fork in the Road”は新作『Recollect the Feeling』に収録される予定。アルバムより先に出ている全曲解説も必読(〈ミックスは自分で基本やって、得能氏に社会性を注入していただくスタイル〉に笑いました)。

 

ラッキーオールドサン “旅するギター”

ライヴで聴いたラッキーオールドサンの新曲“旅するギター”がリリース。ナナさんのヴォーカル・スタイルに変化が感じられる。いや、聴こえ方が違うのは歌がダブル・トラックだから? それはともかく、〈続きが見たい 旅するギター〉という歌詞に表れているようなラッキーオールドサンの物語の続きがきっと新作では聴けるはず。ファースト・アルバム、セカンド・アルバム、そしてサード・アルバム『旅するギター』。〈成熟〉というとちょっと違うけど、〈若さ〉や〈青さ〉のその先へと2人が向かおうとしているこの感じ。すごくいい。

 

水曜日のカンパネラ&オオルタイチ “屋久の日月節”

水曜日のカンパネラとオオルタイチのコラボレーションEP『YAKUSHIMA TREASURE』より。同作ではこれまで以上に前衛的なアプローチが試みられており、はっきり言ってポップなレコードではない。屋久島でのフィールド・レコーディング(カエルの心拍音や洞窟の中で出した声)が随所に用いられ、アンビエント風のサウンドからは、ピュアでちょっとニューエイジ的なスピリチュアリズムが感じられる。

そういった作品のなかでもダビーな“東”と軽やかな民謡調の“屋久の日月節”には親しみやすさがある。それらの楽曲から、2000年代にUAやACOが試みていたチャレンジと志を同じくするものを聴き取ることもできるだろう。YouTube Originalsのドキュメンタリー「Re:SET」では、EPの制作背景となっている屋久島をコムアイが旅する姿が捉えられているとか。

 

あいみょん “ハルノヒ”

音楽メディアの編集をやっている身としては超怠慢なことに、最近まであいみょんを真面目に聴いていなかった。いや、もちろん聴いてはいたんだけど、ふーんという感じで聴き流していた。それが昨年末の紅白で“マリーゴールド”を聴いて、〈うおっ、フォーク!?〉とびっくり。その後、リサーチのために前職の同僚(ほぼ同い年)に〈最近何聴いてるの?〉と訊いたら、〈あいみょんとsumika〉との答えが返ってきたので、これはもう、あいみょんにちゃんと向き合わないとダメだと気づいた次第。

柴那典さんによれば彼女のルーツには浜田省吾や吉田拓郎があるとのことで、そういうことかと納得。この新曲“ハルノヒ”もまさにその系譜にあるフォーク・ロックで、ぐいぐいと上昇していくメロディーが見事な一曲。オールドスクールすぎるような気もするけれど、90年代のJ-Popが担っていた大衆歌謡感をたった一人で代表しているこの感じ、堂々たるものだと思う。ちょっと老成しているというか、若さに頼り切っていないので、50年後も紅白で歌っている姿が想像できたりも。歌い出し、〈北千住駅の〉というラインにハッとさせられる。

 

【田中亮太】

シャムキャッツ “BIG CAR”

2週前の〈歌謡日〉で紹介した“完熟宣言”に続き、ハイペースでシャムキャッツからMVが到着。〈でっかい車に乗って でっかい気持ちでいる〉。街から街へとバンドワゴンで回ってはギグをかます――そんなロック・バンドのロマンを託した楽曲のビデオは、やはり最新アルバム『Virgin Graffiti』ツアーの映像をまとめたもの。メンバーの飾らない表情、各地のお客さんの良い顔、キラキラしたライヴの瞬間、それらすべてに〈バンドっていいなー〉と思わさせられます。〈ぜったいがっかりさせないぜ〉と歌える4人は、カッコいい。日本ツアーは残り名古屋・東京・沖縄の3か所です!

 

田中ヤコブ “LOVE SONG”

ラッキーオールドサンのサポート・ギタリストとしても知られる田中ヤコブが新曲を発表! 元Layneの米山弘恭をベース、いーはとーゔのShun Yanashimaを鍵盤に迎え、それ以外はみずから多重録音したようです。情報量は多いのに楽器それぞれの旨味が出まくった演奏、腰が抜けるほどに鮮やかな転調、コーラスがもたらす心地良いサイケデリア……とヤコブ氏のポップス・メイカーとしての才が、かつてないほどに開花しております。ライヴァルは、ゾンビーズかトッド・ラングレンか。はたまた『金字塔』(97年)期の中村一義か。

 

【高見香那】

ZIGGY “ヒカリノアメ(future disco ver.)”

2017年にデビュー30周年を迎え、現在はリーダー・森重樹一のひとりバンドとして活動中のZIGGY。個人的には、ジギーっていうんだからグラム・ロック・バンドなんだろうか?という具合の入り方でした。聴いてみるとちょっと歌謡っぽくて思ってたのとは少し違ったのですが、“GLORIA”以外にも名曲が多くて。と、最近なぜか過去作を聴き返していたところにこの新曲を聴いて、こういうバンド/ミュージシャンが(紆余曲折ありながらも)いまもあたりまえのように格好良いロック・ナンバーを聴かせてくれるのはうれしいと心底思いました。

 

路地 “日々を鳴らせば”

昨年インタヴューも掲載した5人組のポップス・バンド、路地。化粧品か何かのCMソング抜擢待ったなしな、突き抜けた感のあるキラー・チューンだと思いました。誰の耳にも心地よくも洒脱なアレンジとアンサンブル、そして何より「あさチャン!」でもその歌声を披露されているらしい飯島梢さんの歌唱の強度、感じます。

 

The ManRay “Sea Side Motel”

メンバー・チェンジを経て現在は、Ko Koga(ベース)、Takuro Asato(ギター/ヴォーカル)、Ryosuke Oki(ドラムス)の3名で活動するThe ManRay。6か月連続シングル・リリース企画の第一弾となるこの曲は、彼らの真骨頂とも言えそうなハードボイルドで哀愁ただようガレージ・ロック・ナンバー。モテそうだ。

 

【酒井優考】

millennium parade “Veil”

King Gnu常田大希の新プロジェクト〈millennium parade〉が先週突如始動。PERIMETRONの映像・ヴィジュアルも衝撃だし、ローンチ・パーティーにはKing Gnuの3人に石若駿やこの曲でも鍵盤を弾くWONK江﨑文武が出演するとのこと。目が離せません。

 

Aimer “I beg you”

PV公開日からはだいぶ経っていますが、アルバムフラゲ日というので改めて。例えば古くは久保田早紀の“異邦人”とか、近年だとくるりのようにエキゾチックとかエスニックをポップスと融合させる好例はわりとあるけれど、ここまでアラブ音階(オリエンタル音階)全開(しかもほぼ1コード)な曲がヒットするのも珍しいなと思いました。日本語なのにこんなメロディーに相応しい歌い方が出来るAimerも化け物だし、そんな曲を作ってしまった梶浦由記さんも素晴らしい。

 

ジオラマラジオ “MAPLE”

サブミッション・メディア〈TOWER DOORS〉がスタートしました。1リスナーとして楽しみにしています。

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