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【RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!】第2回 寺尾紗穂「彗星の孤独」を読んで〈音楽と人を大切にしたい〉と思いました

新潟のアイドル・グループ、RYUTistのメンバーで、〈本好き女子〉として知られる宇野友恵。本やCDの感想、そして晩御飯の見事な料理写真などを日々Instagramに投稿している彼女が、このたび連載のために筆を執りました! この〈「好き」よファルセットで届け!〉では、宇野が〈好き〉と感じた作品への思いを、ちょっと背伸びしながら〈ファルセット〉でお伝え。初回の本秀康「あげものブルース」に続く第2回は、シンガー・ソングライターで文筆家としても活躍する寺尾紗穂のエッセイ集「彗星の孤独」を紹介します。どうやら2回目にして、執筆にはとても苦労があったようで……。 *Mikiki編集部


 

はろぴょん!
RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け! 第2回目です。
今回紹介するのは寺尾紗穂さんの「彗星の孤独」です。

寺尾紗穂 彗星の孤独 スタンド・ブックス(2018)

寺尾さんを知ったのは高校生の時。
アルバム『楕円の夢』に収録されている“風と小説”をRYUTistスタッフの安部(博明)さんから〈この曲良いよ〉と教えて頂きました。

寺尾紗穂の2015年作『楕円の夢』収録曲“風と小説”

通学バスの中で聴くひとときが日々勉強とRYUTistの両立に追われていた心を癒すようで気持ちよかったです。
寺尾さんの柔らかさと強さを持つ歌声に母性を感じました。
そんな寺尾さんの優しさにあまえて勉強をさぼり、偏差値は下降していったのが友の学生時代の苦い想い出です。

本題に入る前に……なんで2回目にしてこんな作品を選んでしまったのか!!
自分でも後悔しています。

寺尾紗穂さんの「彗星の孤独」を読んだ時に、音楽をつくって、作品をつくって生きている寺尾さんという人の姿がみえてきました。
そして、「彗星の孤独」を読んだ時に感じたことを文章にしたいと、文章を書いては消して、書いては消してを繰り返しました。
〈読書感想文のようなもので終わらしてたまるか!〉

熱意を持って挑んだ第一稿は

寺尾さんのことは音楽以外で知らなかったので、この本を通して寺尾さんの人となりがわかり、面白かったです。
何よりも人との出会いを大切にされているのだなという印象を受けました。
寺尾さんは植本一子さん、前野健太さんといった友の知っている作家さんやミュージシャンさんだけでなく、公園にいる知らないおじさんとも仲良くなっていらっしゃいました!
友は学生時代に友達との交流を放棄してしまったから、友達が少ないです……。
後悔をしているわけではないのですが、寺尾さんのようにひとりひとりを大事に丁寧にされている方をみるともうちょっと頑張れたんじゃないかな……って思うのです。
カラスの鳴き真似をする話(友はこのお話が一番のお気に入り)、ダンゴムシの研究をする話など、寺尾さんのユニークな部分も綴られていて読みごたえたっぷりです!
ぜひ読んでみてください。

なんだ! この薄っぺらさと他人行儀で稚拙な文章は。

……数日寝かせてみました。
(熟成して良い感じに感じるのではないかと淡い期待を込めて。)
その間も何度も「彗星の孤独」を読み返しました。
書いた文章を読み返すと、「彗星の孤独」を読んだ時に感じたことを全くとらえられていないんです!!
恥ずかしくなる。

寺尾紗穂さんの「彗星の孤独」を手に取ってもらいたいんです。
彼女の生活、生きてきた中から歌が産まれて、それが生活を拡げてくれている。
ノンフィクションの彼女の物語を読んだら、必ず寺尾紗穂さんの歌を聴きたくなる。
この想いをどのように表現したらいいのか、何もまとまらないままただ時間だけが過ぎていきました。

悔しい。と自分とぶつかり考えている中で「彗星の孤独」を書評できなかった友にできることが見つかりました。
それは自分を削ることでした。
〈宇野友恵は空っぽでした。〉
自分をさらけだすこと。
この連載を読んでいる皆さんへ、自分が空っぽで何もないにも関わらず、文章を書くお仕事をしてみたいと夢見る少女が夢の中でうわ言を並べている。
第2回目にして自分が空っぽだということを言わざるを得ないです。

「彗星の孤独」は寺尾紗穂さんの半生を書いた本です。
寺尾紗穂さんは生きていることをとても素直に書いていると感じました。
寺尾紗穂さんとはお会いしたことも、大変失礼ですがライヴを拝見したこともありません。
音楽を聴き、YouTubeでライヴを観たくらいです。
ですが「彗星の孤独」を読んで、寺尾紗穂さんを近くに感じました。
嘘がないからだと思いました。

だから友ができることは嘘をつかず今の自分をさらけだすことでした。
それに何の意味もありませんが、そこまできてやっと寺尾紗穂さんと同じように文章を書くというところに立てているように感じるからです。

「彗星の孤独」で友が寺尾紗穂さんに感じたことは〈出会い〉を大切にされているということでした。

2年前に亡くなった、RYUTistの楽曲の作詞をして下さっていたshuさんが〈音楽は人だから人を蔑ろにしたら音楽は産まれないよ。〉と言っていたと聞いています。
読みながらそれを思い出しました。
音楽と人を大切にしたい。
「彗星の孤独」を読んで思いました。
友に音楽をあたえてくれて良かったと心から思いました。

最初は
〈お父さんが元シュガー・ベイブさんの寺尾次郎さんの娘さんなんだ。〉
という自分の知っている名前もこの本を選ぶ要素の一つでした。
その結果として苦しい思いをすることになってしまいました。

ただ最後に言えることは「彗星の孤独」と出会えて、寺尾紗穂さんの本を読み、自分が同じように物書きとして活動しようとしていることに対する思いが憧れから、責任に変わりました。
〈伝える〉って気持ちだけでどうなるものじゃないと思いました。

最後に友がこれを書いている時に聞いていた曲“たよりないもののために”の一節を引きます。

たよりないもののために
人は何度も夢をみる
ボロボロになりながら
美しいものをうむ

この歌詞の真意とは異なっているかもしれませんが、友はこの曲に後押しされながら書評を書くことができました。

今は「彗星の孤独」と出会えて良かったと心から思っています。

寺尾紗穂の2017年作『たよりないもののために』表題曲

プチ情報!!
友がいつも行く本屋さんを紹介。
友が本を好きになるきっかけをくれた方である佐藤店長のお店・北書店さん。
今回の寺尾紗穂さんの「彗星の孤独」も北書店さんで購入しました。

北書店さんでは前回書かせて頂いた本秀康さんの「あげものブルース」と一緒にRYUTistのコーナーも展開して頂いています。

先日の渋谷CLUB QUATTROさんのために本さんに描いて頂いた限定ジャケットの7インチ・シングル『Majimeに恋して/愛のナンバー』も北書店さんのみで販売しています!
原画もありますので本をお探しの際に見て頂けたら嬉しいです。

 


PROFILE:宇野友恵
新潟県新潟市中央区古町から誕生したアイドル・グループ〈RYUtist〉メンバー。安定した歌唱力と、豊かな表現力でライヴを支える小さな巨人。いつもニコニコ、スマイルともちぃ!

〈RYUtist〉は新潟市を表わす〈柳都(りゅうと)〉に〈アーティスト〉を加えた〈新潟のアーティスト〉という意味から。2011年5月の〈アイドルユニットオーディション〉によりメンバーを選抜して始動。新潟市古町7番町のライヴハウスを中心にライヴ活動を展開。2016年4月より五十嵐夢羽、宇野友恵、佐藤乃々子、横山実郁の4人体制へ移行し、ハコイリムスメとの合体ユニット〈柳箱〉としても活動。

2019年の最新シングル『センシティブサイン』を含め、これまでにシングル7作、アルバム3作を発表している。7月24日(水)に本秀康のレーベル・雷音レコードから7インチ・シングル『Majimeに恋して』をリリース。

RYUTist Majimeに恋して 雷音(2019)

 


LIVE INFORMATION

NSTまつり2019
2019年9月28日(土)NST 新潟総合テレビ 本社
出演時間:12:00(NST会場)
観覧無料
https://www.nsttv.com/event_info/nstmatsuri/

古町どんどん2019秋
10月5日(土)新潟 古町通商店街特設ステージ
出演時間:11:00(古町5)/13:00(古町6)/15:15(古町7)
10月6日(日)
出演時間:16:15(古町7)
観覧無料
https://ssl.niigata-furumachi.jp/event/2019/24790/

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