鮮烈なデビューから約15年、ヴァイオリニスト鍵冨弦太郎さんは風貌の爽やかさはそのままに地道かつ目覚ましく成長を遂げてきました。久しぶりのソロアルバムは鍵冨さんの艶のある流麗な音色が100%活きるフランス・ベルギーの音楽(フランクやプーランクのソナタとショーソンの詩曲)を中心に据えています。詩曲の稜線の起伏の大きい音楽作りによる官能的な叙情表現、フランクのエッジのきいたスピード感はとりわけ見事でヴァイオリンを聴く喜びに満たされます。沼沢淑音さんの色味の変化に富んだピアノのサポートも充実度を高めています。余白には合唱曲の大家、鈴木輝昭さんの作品を収録。