2018年のデビュー・シングル“1950”で、クィアな愛を歌ったキング・プリンセスことミカエラ・ストラウス。そんな彼女のファースト・アルバムがマーク・ロンソンのレーベルからリリースされた。ヒップホップのビートを刻む“Prophet”から、R&B的な艶かしさを醸す表題曲まで、サウンドは多彩を極めている。レコーディング・エンジニアとしてキャット・パワーの作品に関わった父親を持ち、自身もさまざまな楽器を弾きこなすだけあって、音楽的素養は確かなものを備えている。すべての曲が親しみやすいメロディーを紡ぎ、そこに交わる言葉の語彙も豊富だ。力強く歌い上げたかと思えば、語りに近いアンニュイな歌唱も披露するなど、幅広いヴォーカルもハイレヴェル。