バレンボイム、ムター、ヨーヨー・マの大顔合わせによる三重協奏曲と交響曲第7番。ベートーヴェンの生誕250年を飾る華やかな1枚。バレンボイムが形作る振幅の大きい音楽の中でムターとヨーヨー・マは意外なほど渋く振る舞って温かい時間を作り上げる。ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団のシェイプアップされた身のこなしの滑らかな響きとのバランスもいい。このオーケストラのキャラクターゆえか交響曲はバレンボイムとしては薄く軽めのまとまりで爽快感のある好演。久々にドイツ・グラモフォンらしいジャケット、内容のアルバム。円熟と新味の融合が聴ける。