近年はさまざまなゲストを迎えて音楽性を拡張させていたが、この新作は〈ピアノ・インスト〉という原点に立ち返った作品だと言える。いつになくスムースなジャズに始まり、徐々にポリリズムや変拍子を織り交ぜつつ、サックスをフィーチャーした“Anchor”でビート・ミュージックに接近するという4曲の流れは、ひとつの物語を描いているかのよう。こうした進化と深化の繰り返しが、バンドの表現をより強固なものにしていく。