アンダーソン・パークのバンドとして知られる4人組、フリー・ナショナルズ。ライブ動画などで強靭かつ柔軟なパフォーマンスを目撃済みのリスナーも多いだろう。彼らの初アルバムは、そんなライブ・バンドとしての躍動をポップでしなやかな曲へと落とし込んだ快作だ。インターネットのシドが歌う“Shibuya”や、ベニー・シングスを迎えた“Apartment”の爽やかなメジャー感に体を揺らし、ダニエル・シーザーとアンノウン・モータル・オーケストラが参加した“Beauty & Essex”のねっとりと妖しいグルーヴを堪能し、T.I.のラップからクロニクスのシングジェイまですべてを滑らかに運ぶバンドの包容力に感嘆する。パーク親分が参加した“Gidget”の軽妙なファンクも最高だ。どこを聴いてもメロウかつ心弾む一枚。