現在の音楽シーンにはATRと並列で聴ける作品がたくさんあるんだぜ!!

DEATH GRIPS 『No Love Deep Web』 Third Worlds/Harvest(2013)

ヒップホップとパンクとノイズが一体となって突進してくるサウンドに留まらず、言動とか、ステファン・バーネットのタトゥーだらけな体躯とか、実はとんでもない本作のジャケとか、いちいち過激なところはATRと重なる部分も多い! いや、こいつらのほうが過激度で言ったら上かも!? *青木正之

 

THE GLITCH MOB 『Love Death Immortality』 Glass Air(2014)

 LAのエレクトロ/ダブステップ・トリオによる2作目。メロディアスでロックな要素を重視し、ダイナミックなレンジを獲得している。同じ3人編成という点以上に、昂揚感の塊となったダンス・ロックにはATRと似たものを感じるが、ただしこちらはずいぶんとお行儀が良さそうな見た目で……。 *青木正之

 

BiS 『WHO KiLLED IDOL?』 avex trax(2014)

多様化を極める日本のアイドル界にも、ATRばりの苛烈さを身上とする存在が! メタルやメロコアを呑み込みながら生き急ぐような活動を繰り広げてきた彼女たちの最新作には、AA=の上田剛士プロデュースによる電脳ハードコア“STUPiG”を収録。ガバキックの速射砲に血が騒ぐこと必至! *北野 創

 

COMBICHRIST 『We Love You』 Metropolis(2014)

インダストリアル・メタルとテクノを融合させ、90年代に一部で流行したアグロテック。その代表バンドの新作が3月末に登場します。ミニストリーからの影響を公言してきたATRとは、親戚関係と言っても過言ではないでしょう。ちなみに、先行シングルを聴いた限りほとんどノイジア!  *山西絵美

 

エモトロニカ勢にもATR好きは多いようですが、もっともその影響を受けているんじゃないかと思うのがアトランタ発のイシューズ。享楽的なムードが蔓延するシーンにおいて、彼らの怒りに満ちた激しいスクリームはどうよ!? トラップやジェントを丸呑みしたゴツい演奏も男気があってイイ! *山西絵美

 

MODESTEP 『Evolution Theory』 Polydor(2013)

時間の経過と共にバンド形態へと移行し、本作でのアルバム・デビュー時にはすっかりロッキン・ダブステップを完成させた彼ら。ATRもかつてはドラムンベースのビートを重用していたことを考慮すると、ミクスチャー感覚が迸るベース・ミュージックで繋がった両者の相性は意外に良さそう。 *青木正之

 

LEF!!! CREW!!! 『THIS IS HARDCORE』 VYBE(2014)

パンクからブレイクコア、ジュークまで矢継ぎ早にブチ込みまくる横浜のDJ集団のカオスなプレイ・スタイルは、その有無を言わさず盛り上げるスピード感も相まってATR好きに刺さるはず。怒涛の60曲(!)を繋げたこの公式ミックスCDでは、ATRの名曲“Speed”もスピンされています! *北野 創

 

HADOUKEN! 『Every Weekend』 Surface Noise(2013)

ATRの音楽性にはオールド・スクール・レイヴの流れも見て取れるが、その血筋にあたる(?)ニューレイヴ期に登場したハドーケン!はこの最新作にてドラムンベース寄りのアプローチを強化。ベースをドロップしまくるエモい歌モノが中心ながら、暑苦しい咆哮もタップリ楽しめるよ! *北野 創

 

FACT 『Witness』 maximum10(2014)

 メタルコアを基軸に打ち込みの要素を採り入れながら進化してきた日本のラウド・ロック・シーンの革命児たちも、デジタル・ハードコアからの影響を端々に匂わせていて興味深い。スラッシュ色が濃厚となった本作でも、トラップ・ビートとシャウトが暴風のように吹き荒れる“2-1”を披露。 *北野 創

 

SLEIGH BELLS 『Reign Of Terror』 N.E.E.T./Mom+Pop(2012)

『Reset』ではラウドさや激しさを若干抑制するパートも用意され、ニック・エンドウのガーリーな魅力を引き出している。つまり、ポップでキュートな瞬間もチラホラ。そこで頭に浮かんだのがスレイ・ベルズだ。鈍器を打ち下ろすようなビートと可憐なアレクシス嬢の歌メロはまんまかも。 *青木正之

 

††† 『†††』 Sumerian(2014)

 ベースネクターと絡むなどデフトーンズ本隊以外の活動にも積極的な近頃のチノ・モレノ。これはファーのギタリストと新たに組んだユニットの初作です。ウィッチ・ハウスをヘヴィー・ロック化したような楽曲群は、『Reset』収録の“Erase Your Face”に負けず劣らずの不気味さ! *山西絵美

 

THE BLOODY BEETROOTS 『Hide』 DimMak/Ultra(2013)

人々を鼓舞してパワフルにさせる、いわば祭典的な側面からATRを捉えると、プリミティヴでパンキッシュなダンス音楽を届けてくれる本プロジェクトとの共通項も見えてくる。まあ、ポール・マッカートニーやトミー・リーと共演するなんてアレックに鼻であしらわれそうですが……。 *青木正之