弱冠17歳でAmy Winehouseのツアーのピアニストに抜擢され、マルチな才能を持つ稀代のアーティスト=Sam Besteのソロ・プロジェクトが遂に始動。2019年の父の逝去やコロナ禍の混沌の中で作られたのが今回のデビュー作だ。繊細でミニマムなピアノが織りなす柔らかなテクスチャーの音色に、声のサンプリングや管弦のストリングの音を取り入れている。ジャズで培った経験に生来の作曲のセンスが合わさる事で聴く者の心をも浄化させる様な包容力を持つ1枚になっている。特にJames Blakeのカヴァー、“Waves Know Shores”は彼の天性の才能を存分に発揮した1曲となっており、ポップスを愛聴するリスナーにも是非オススメしたいアーティストだ。