バンドがこれまで辿ってきたサウンドの軌跡を凝縮したものが前作であれば、3年ぶり、通算10作目となるニュー・アルバムは、20周年を目前に控えた彼らが歩み続けていく意志そのものを刻み付けた一枚と言えるかもしれない。全11曲。アコギを主軸にした“MOMENT”のような美麗なナンバーもあるが、白眉なのは、押さえつけられた欲望を全解放したようにラウドな楽曲の数々。なかでも“HOLD”や“FRENZY”は、血液が沸騰するような重厚かつ歪んだ音塊に興奮を覚えるリスナーであれば、快哉を叫ばずにはいられない仕上がりだろう。加えて、奪われてしまった密集空間やそこに集うファンといった、みずからの愛すべきもの/場所へ向けられた言葉たちに、込み上げる気持ちを隠すことはできない。