わたくし奥冨が、今聴いているアーティストや作品について愛情たっぷりにお伝えしていく連載。第5回目となる今回は、2020年代という混沌と洗練のなかで響いてほしい音楽たちを。

1. WATER DAWGS『Nahmin』
昨夏にSNS中心に出会ったメンバーで結成されたヒップホップクルー。精力的なリリースと、各々のキャラクターが活きたラップと存在感で注目を集めています。知ったきっかけは、以前この連載でも紹介したarvyを迎えたこの曲を聴いたこと。印象的なトラックと、滑らかでメロウなフロウがしんみりと馴染む名曲です。

 

Bialystocks 『ビアリストックス』 Bialystocks(2021)

2. Bialystocks『ビアリストックス』
vo.甫木氏の監督した映画作品で、生演奏上映を行うことを機に結成されたバンド。ジャズとポップス、ベーシックとテクニカルのバランスが何とも心地良い晴れやかな曲が多い。音楽のみならず多岐にわたる活動を行い、バンドという集合体の立体感が柔軟で気になる存在です。この1st ALはその輪郭に触れられる快作。

 

BOARD 『If I Forget You / Verify』 BOARD(2020)

3. BOARD『If I Forget You / Verify』
疾走するギター・ノイズ、ダイナミックなドラム、低温で低音なヴォーカル。今日本にこんなバンドがいるのがたくましい!と思える3ピース。ポストパンク/ニューウェイヴ/ノーウェイヴ、80sの空気感を浴びながらも、どこか和的で2020年代の不穏な空気をビシバシ節橋から感じます。洋楽を好む方にもぜひ届いてほしいです。

 


奥冨 直人(BOY)
平成元年・埼玉県生まれ。ユースカルチャーを発信するファッションと音楽のコンセプトショップ「BOY」を2009年渋谷円山町にオープン。2014年に現在の宇田川町店舗に移転・独立。現在スペースシャワーTVにて配信番組「スペトミ!」のVJを担当。DJやスタイリングなど日々の活動は多岐にわたり、どんな時代も楽しく暮らしている