創作やレコーディングで住み込んだハリウッドのホテル/バー/スタジオの名前を表題に冠した3年ぶりの新作。今回は前作に関与したネイト・マーセローとリッキー・リードと全面的に組み、ブルージーなバラードを含みながらもデビュー時の古式ゆかしきサザン・ソウル色を払拭し、裏声も交えたサイケでオーガニックな西海岸R&Bへと移行している。ゲストのロバート・グラスパーやテラス・マーティンもマイルドなプレイで懐かしくも新しいネオ・ノスタルジアとでも言うべきムードを醸成。ウィー・アー・キングのパリス・ストローザーが参加したアフロ・カリビアン的な先行曲“Motorbike”やアトランタの奇才インク(アティア・ボッグス)と歌う“Don't Worry”などでの抑制の効いたポップネスも好感だ。