昨年4月の逝去後にマーク・ボランのトリビュート盤を送り出す格好になった巨匠ハル・ウィルナーだが、どうやら彼の最後の監修作品は今作になるようだ。しかもお題は『The Velvet Underground & Nico』(67年)の丸ごとトリビュートということで、ルー・リードと親交深かったハルにとっては入魂の企画だったのだろう。マイケル・スタイプによる“Sunday Morning”を筆頭に、マット・バーニンガー、シャロン・ヴァン・エッテン&エンジェル・オルセン、カート・ヴァイル、セイント・ヴィンセント、サーストン・ムーア&ボビー・ギレスピー、イギー・ポップ&マット・スウィーニー……という古今インディー大物の並びもこの名盤に相応しい。フォンテインズDC“The Black Angel’s Death Song”の若気も煌めく全11曲。