文学的な歌詞世界と、その言葉たちを届ける音楽の豊かさがキリンジの美点。お馴染みのロゴを排したジャケがそんな世界観へのリスペクトなのかはわからないが、音楽的な多彩さをソロも含めた広いキャリアから切り取った選曲は、やはりフリー・ソウル的な快さに満ちている。マイケル・フランクスリロイ・ハトソンなどの影を感じつつ聴き進めるDisc-2もいいけど、メランコリック&フォーキーな“エイリアンズ”とポジティヴなミディアム“スウィート・ソウル”で締めるDisc-1のエヴァーグリーン度といったら!