2年ぶりの新作はボスが愛するソウル・クラシックを歌ったカヴァー集だ。60年代後半のヒットを中心とした選曲で、先行披露していたフランク・ウィルソンのノーザン・ソウル古典“Do I Love You (Indeed I Do)”を含めモータウンの曲が目立つが、表題となったジェリー・バトラーのギャンブル&ハフ制作曲やタイロン・デイヴィスのシカゴ・ソウルなども登場。コモドアーズの85年ヒット“Nightshift”はソウル偉人を偲んだ原曲の意図も踏まえてのチョイスだろう。ロン・アニエッロと制作したトラックはオリジナルのアレンジに忠実で、思い入れたっぷりに力強い声を放つ73歳のボスからは歌う喜びがひしひしと伝わってくる。ウィリアム・ベルとドビー・グレイの曲では盟友サム・ムーアを迎えて快唱。終始晴れやかだ。