以前、EMI時代にタワー企画盤としてCDで後期6曲の復刻を行っていたが、その際に収録されていなかったアルバム1枚分(交響曲第25, 29, 33番)が今回初DISC化で納められたことで、ようやくヴァンデルノートがパリ音楽院管と残した珠玉の全9曲の交響曲が全て復刻された。しかも前回向上していた音質が、今回あらためて本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化されたことで更なる改善が行われている。演奏はこれぞモーツァルトの神髄と言った佇まい。同企画で既発のハイドシェックとのピアノ協奏曲集と共に嗜みたい一級品。ヴァンデルノートの録音の中でも群を抜く名盤であることは間違いない。