絶滅していった動物たちから学ぶべきこと

うすくらふみ 『絶滅動物物語 1』 小学館(2023)

うすくらふみ 『絶滅動物物語 2』 小学館(2023)

 随分前に、ペンギン・カフェが音楽を担当したロイヤルバレエの「Still Life at the Penguin Cafe」を観ました。このユニークな作品は、絶滅の危機に瀕している動物たちのかぶり物を身に着けたダンサーたちが演じ、環境問題をテーマにしています。とてもわかりやすく、誰もが心を揺さぶられる演目でした。

 うすくらふみ氏の「絶滅動物物語」では、ロイヤルバレエの物語の中心であったオオウミガラス(ペンギン)他、さまざまな動物たちがどのように絶滅していったかが、そのエピソードと共にマンガで描かれています。監修の動物学者、今泉忠明氏は、現存する種の約半分が今後数百年で絶滅していくのではないかと危惧しています。過去には劇的な環境変化による大量絶滅が数回起きたようですが、現代の問題は絶滅の速さにあると指摘されています。

 人間も自然界の一部であり、他の生物の絶滅に人間が関与することも自然現象と理屈で捉えられるかもしれません。しかし、この本を読んだ後でも、そのような感情でいられる人は少ないでしょう。できることなら、多種多様な生物が存在していた方がいいのでは?と直感的に思います。特に、ハンティングを楽しむ為や剥製を作る為に絶滅してしまったとなれば、なおさら平気ではいられません。

 この本では、乱獲による絶滅から動物保護のエピソードまで、重い話がいくつも描かれています。淡々とした描写であるがゆえに一層心に響きます。動物たちの顔色一つ変えず(のように見える)死んでいく様と、人間の喜怒哀楽の表情が対照的に描かれています。

 産業革命以降、物の大量生産と人間の行動は環境や人に与える影響を大きくしたことは明らかです。ところが動植物の機能がそれに比例して変化したわけではないので、そこに軋轢が生じるのは当然でしょう。私たちは、この問題に対してより〈意識〉を向ける必要があると思います。