昨年は体調不良でツアーを中断。そこから復活へ向かう心中が映されたという新作の表題は、アレクサンドル・コルパコフのSF小説から。力強いバンド・サウンドを背に傷だらけで居場所を探し続ける歌声も感動的だが、個人的には鮮やかなアンビエンスのなかで言葉が異様な昂揚感と鋭さを伴って響く“ごめんねオデッセイ”“俯きヶ丘”あたりのポエトリー群に震えた。