ポスト・クラシカル人気を牽引してきたドイツのハウシュカシガー・ロスもライヴの開演前に好んで彼の曲を流している。3年ぶりとなるこの新作では、ピアノの弦にゴムや木材を挿んでハープや打楽器のような音を出しながら、実験的かつシネマティックな室内楽を披露。各曲の表題には世界中の〈捨てられた街〉の名前が付けられ、かつての活況、喪失、郷愁という時間の経過を、美しくも物悲しいサウンドで表現している。