LED ZEPPELIN 『Led Zeppelin IV』 Atlantic(1971)

新作の制作中、よく話題に出たのはこの重鎮の名だそう。いわく「4作目はめっちゃ好き。今回はツェッペリンのつもりで叩いてた」(増村)、「ギターもアンプを使わないで直接ラインで突っ込んで、ミキサーで歪ませて。フォーキーな曲も、ツェッペリンを意識してます」(岡田)。 *土田

 

VASHTI BUNYAN 『Heartleap』 Fat Cat/インパートメント(2014)

デヴェンドラ・バンハートやアニマル・コレクティヴなど、数多くのアーティストに影響を与えたUKフォーク界の伝説的シンガーによる最新作。繊細なメロディー、そして呟くような歌声が醸し出す世界は、森が生きているの新作に通じる白昼夢めいた美しさが。 *村尾

 

タージ・マハル旅行団 『August 1974』 コロムビア(1975)

69年に小杉武久を中心に結成された音楽集団。ヴァイオリン、トランペット、チューバなどによる即興演奏で、ジャンルを超えたサイケデリックなサウンドを生み出した。演奏の際はエフェクトをかけて音を加工するなど、音響センスもユニーク。 *村尾

 

2008年の初作でシーンの流れを変えたデュオ。60~70年代の音楽を我流でアップデートする作風はそのままに、この最新作ではより実験的な方向に。制作中は90sテクノの面々を聴いていたという前情報もあったが、このスピリチュアル&トランシーな質感はクラウトロックに近いような。 *土田

 

Rくん 『Rくん』 R(2013)

「現代音楽とポップスを混ぜた作品」と岡田が挙げたのは、ダニエル・クオンの別名義による初作。ミニマルな鍵盤の響きとフィールド・レコーディングを重ねたアンビエントな音像で、催眠的なサイケデリック・ドリームを呼び寄せる。Lampの榊原香保里も参加。 *土田

 

佐井好子 『密航』 テイチク/Pヴァイン(1976)

70年代から活動する孤高のシンガー・ソングライター。〈密航〉がテーマの本作は、タブラやシタールのエキゾチックな調べが歌を妖しく彩り、その空想民族音楽的要素と詩人でもある彼女独特の言葉遣いは『グッド・ナイト』の世界観を思わせるところも。 *村尾

 

石橋英子 『car and freezer』 felicity(2014)

 60~70年代の音楽を好む石橋だが、とりわけジェネシスの影響が色濃く出た2012年作以降の歌モノ作品は、洗練されたプログレッシヴ・ポップの方向性へ。プロデュースはもちろん、森は生きているの面々もリスペクトするジム・オルーク(ツェッペリン好き)。 *土田

 

NEW HOUSE 『Kaleidoscopic Anima』 SECOND ROYAL(2014)

前作から無国籍にもほどがあるサイケ・ポップ道へと足を踏み入れた5人組が本作で目を向けたのは、西アフリカのフォークをはじめとする古今東西のポップス。オーガニックな心地良さをめざしたという音像の参考としては、ここでもフィル・スペクターの名が挙がっている。 *土田

 

MGMTやテンプルスらと並んで、モダン・サイケなロックを聴かせるオーストラリアの4人組。エフェクトをたっぷり効かせたカラフルなサウンドは60年代サイケの影響大。でもアレンジやビートはポップに洗練されていて、計算された気持ち良さが魅力だ。 *村尾

 

ミツメ 『ささやき』 mitsume(2014)

「日本語の乗せ方が上手い」と岡田が語る、東京を拠点とする4人組。ダブからドリーム・ポップ/アシッド・フォーク然とした楽曲など作品を重ねるごとにリヴァーブ使いが多様化しており、力の抜けたエコーのなかにハッとするパンチラインを溶け込ませている。 *土田