最晩年のブリュッヘンが遺してくれたアルゲリッチ(別盤)とピリス、2人の女王との至宝のライヴ映像。このピリス編で聴くベートーヴェンはまさしく珠玉の一篇。ハーディングとの素晴らしいライヴCDの前年に位置する2012年ライヴ。両盤の仕上がりの高次での異相は驚くべきもので、白木のような質感を18世紀オーケストラの響きから引き出すブリュッヘンと、1849年製エラールの典雅な音色を自在に紡ぐピリスが、愉楽の語らいを交わす。ラルゴはことのほか滋味深い。併録のドキュメンタリー(約45分、英語字幕)には、ピリスとアルゲリッチが相次いでブリュッヘンとリハを進めるシーンも!

【参考動画】マリア・ジョアン・ピリスによるベートーヴェン作曲“ピアノ・ソナタ第17番”のパフォーマンス