INTERVIEW

新ドラマー加入&レーベル設立のAldious、5人のカラーをより力強く押し出した新アルバム『Radiant A』を語る

Aldious 『Radiant A』 Pt.1

Re:NO

 

新体制となり、これまで以上に自由な筆致でヴィヴィッドな色合いを手にした5人。それぞれの個性的な輝きは、バンド全体により強い光をもたらして――

 2015年、Aldiousには2つの大きなトピックがあった。ひとつは、4月に新ドラマーとしてMarinaが加入したこと。これまでヘヴィー・メタルを聴いてはいたが、メタル・バンドをやるのは初めてで、ツイン・ペダルを使ったこともなかったという彼女だが、現在ライヴで使用しているドラム・セットは、ツーバスどころかトリプル・バス・ドラム! 「なんか一個飛ばしちゃいましたね」と笑いながら話していたが、そこは父親の影響もあるそうだ。彼女の父親は、フランク・ザッパ・バンドで活動し、まるで要塞のように組み上げられたドラム・セットを操る天才ドラマー、テリー・ボジオである。

 「Aldiousにカラー・コンセプトがあるように、私もやるからにはそういうおもしろいものを突き詰めたいと思ったんです。それで、こういう多点セットをやるなら自分しかいないだろうっていう……使命ではないんですけどね(笑)。でも、見た目でも興味を惹けるという意味ではありかなと思って、一気にひとつから3つに(笑)」(Marina)。

 

Marina

 

 「(Marinaは)弱音を一切吐かないんですよ。Aldiousは激しい曲が多くて大変だと思うんですけど、できないとか全然言わないし、本当にメキメキ上達していて」(トキ、ギター)。

 「そうやってがんばっている姿を見ていると、〈こっちもがんばらなきゃ!〉っていう気持ちになりますね。それはバンドに入った当初だけじゃなく、いまもそういう姿勢に背中を押されてると思います」(Re:NO、ヴォーカル)。

Aldious Radiant A Radiant A(2015)

 そしてもうひとつのトピックは、7月に自身のレーベルを設立したことだ。今回リリースするアルバム『Radiant A』のタイトルは、そのレーベル名でもある。〈Radiant〉は〈光を放つ〉の意、〈A〉はもちろん、Aldiousの〈A〉だ。

 「今回は作曲者各々が得意な部分を出した曲を集めたものなので、〈各個人が輝くことで、Aldious全体が輝く〉という意味でも、このタイトルがピッタリだなと思いました」(Yoshi、ギター)。

 

Yoshi

 

〈らしさ〉と意外性

 本作には全11曲を収録。既発シングルを除くと、Yoshiは美メロと凶暴なリフと力強いビートが三位一体で突き進む“THE END”や、ど頭からMarinaのパワフルなドラミングが炸裂する“Moment”を作曲している。 

 「これまではいろんな曲を作ってきたんですけど、今回はAldiousらしさを、ということしか考えてなかったですね。自分が作ったバンドだから、自分の作る曲には一番それが出ると思うし、自分がその部分をしっかり出して、他のメンバーが違う色を入れていくという。それは、常に思っていることでもあります」(Yoshi)。

 トキが作曲したのは、モダン・ヘヴィネスを感じさせる“One Way”と、Re:NOいわく「ディズニーの〈ラプンツェル〉と〈マレフィセント〉を足して2で割ったような雰囲気」という“Sweet Temptation”。

 「“Sweet Temptation”は、ダークな雰囲気とRe:NOちゃんのキレイな声とでギャップを出そうと思って作った曲で、“One way”は、移動中によく聴いてたスリップノットとかパンテラの感じが出てますね。Aldiousには珍しい縦ノリの曲になってます。あと2曲とも、Marinaちゃんが叩きやすくて、なおかつ活きるリズムを意識して書きました」(トキ)。

 「そういう私に沿った曲、私がドラマーじゃなかったら出来なかったような曲を書いてくれたのもあって、本当にいまの5人だから出来た曲たちだなと思っています」(Marina)。

 Re:NOはファンとの関係性を描いたドラマティックな“STEP”と、「5人全員がライヴで熱く燃えているイメージで作った」という“Re:fire”を担当。

 「“Re:fire”は火柱がブワー!って立っている映像が浮かんだので、歌詞に絶対〈ファイヤー!!!〉って入れたくて、そこから広げていったんですよ。なんか、自分としてはそこまで燃えるとか言うタイプではないんですけど(笑)」(Re:NO)。

 「だから意外でしたね、この歌詞を書いてきたのは」(Yoshi)。

 また、歌声に込めた感情がより深く、激しくなった印象もある。

 「なんか、良くも悪くも荒ぶってたんです。〈さぁ、歌うわよ〉みたいに冷静な感じではなく、〈っしゃー! やってやる!〉って勢いよくブースに入っていたので。コントロールしきれないほど昂っていたというか。あと、“One Way”の歌詞は、制作中に感じた荒ぶりをそのまま書いたところもあって。そういったことをするのは今回が初めてかもしれないです」(Re:NO)。

 

トキ

 

サワ

 

より自由にパワーアップ

 「Re:NOちゃんは自分の身にあったことを歌詞にするんですけど、私の場合は逆で、自分が空想したものを歌詞にしてますね」と語るサワ(ベース)が作詞/作曲を手掛けたのが“胡蝶ノ夢”。雅な雰囲気と、高低差の激しい独特なメロディーラインがインパクト抜群だ。

 「私はもともとインストとかゲーム・ミュージックが好きで、昔から打ち込みで曲を作っていたんですけど、そのなかからAldiousに合いそうなものを持ってきてるんです。でも、人間が歌うことを想定して作っていないから、Re:NOちゃんがいつも大変そうで(苦笑)。でも、それをやりこなしてくれるのは本当にすごいし、ギターに関してもトキに相談したらいろいろ弾いてくれて。そのフレーズもすごく気に入ってます」(サワ)。

 また、今回は今井美樹の名バラード“PIECE OF MY WISH”のカヴァーを収録。取材中の5人からは「いつかホールで演ってみたい」という話が出ていたのだが、ホールをゆうに飛び越え、スタジアムの画が浮かぶほどのスケール感を持つロック・バラードになっている。ちなみに、Re:NOは以前からこの曲が好きだったそうだ。

 「今井美樹さんの声はすごくキレイだから、そこに対してAldiousのRe:NOとして、どう歌うべきかすごく迷ったんですけど、この形にしました。あと、さっき〈荒ぶっていた〉という話をしましたけど、そういう自分を救ってくれたのが、この曲の歌詞だったんですよ。何度も泣きそうになりながら、〈2分休憩ください!〉って言って気持ちを抑えつつレコーディングしたんですけど、改めて名曲だなぁと思いました」(Re:NO)。

 5人が持つカラーをより力強く押し出した『Radiant A』。それは、大胆なまでにヴァラエティー豊かな楽曲を提示した前作『Dazed and Delight』を経たことで、より自由に各々が作曲に臨めたところもあるのかもしれない。また、どの曲もライヴを前提に作られていることもあり、年末からスタートするロング・ツアーでも威力を発揮しそうだ。

 「この5人になって初の大きなツアーなので、メンバーが変わって不安になっている人たちも多いと思うんですけど、会場に来て安心していただきたいと思いますね。ちゃんとパワーアップしている、前に進んでいるところを見せたいです」(サワ)。

 


【ライヴ情報】
〈Aldious Japan Tour 2015~2016〉12月12日(土)の沖縄・7thHeaven KOZAを皮切りに、12月24日(木)大阪・梅田CLUB QUATTRO、12月25日(金)愛知・名古屋CLUB QUATTRO、2016年1月11日(月、祝)東京・代官山UNIT、4月10日(日)東京・渋谷TSUTAYA O-EASTなど全20公演決定(11月16日現在)! お問い合わせはオフィシャルサイト〈aldious.net〉もしくはVAA(ヴィレッジアゲインアソシエイション、03-6276-8725)まで。

 

※Aldious 『Radiant A』 Pt.2〈日本のフィメール・メタル/ハード・ロックの2015年の動向と注目作品を振り返るディスクガイド〉はこちら

関連アーティスト
pagetop