森の奥深く厳かに執り行われる儀式のように、勇壮でありながらどこか夢幻の霧に呑み込まれてしまうような不安や危うさがある。粛々と弦が丁寧に折り重ねられてゆき、アルヴォ・ペルトをおもわせる崇高な持続音響にその身を委ねよう。現代最高峰のモダンクラシカル・シーンを代表する彼の作品群においても一際繊細なサウンドテクスチャーへの拘りを感じさせる名品であり、手仕事による美しい装丁のジャケットは限定枚数のみの貴重な流通で知られコレクターも多い人気のレーベルSonic Piecesによるもの。不安や危うさと隣り合わせの圧倒的な美は、稀代の天才音楽家にしか成し得ないもはや神業。