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ベイビーフェイス、オリジナル主体のソロ作が10年ぶりに到着/現行R&Bのスタイリッシュなスタンダード作品ガイド(3)

【特集:R&Bの品格】Pt.3

mature R&B cells
【特集】R&Bの品格
ブームやトレンドの趨勢はともかく、注目すべき作品は次々にリリース中! この季節がよく似合う、成熟したアーバン・ミュージックの真髄を、あなたに

★Pt.1 アヴァントのコラムとディスクガイド(1)はこちら
★Pt.2 ブラクストンズのコラムとディスクガイド(2)はこちら

 


Babyface
テンダーへの回帰

 トニ・ブラクストンとのデュエット作『Love, Marriage & Divorce』が最優秀R&Bアルバムに輝き、グラミーの受賞数を11に増やしたベイビーフェイス。そんな結果以上に同作が示したのは、(歌詞はともかく)〈誠実な色気〉とでも形容したいヴォーカリストとしての衰えぬ魅力だったように思う。その後はバーブラアレサら女帝たちへのお仕え仕事が続いていたものだが、新作のタイトルが『Return Of The Tender Lover』となれば、これはもう持ち前の歌世界が存分に展開されているに違いないのである。

BABYFACE Return Of The Tender Lover Def Jam/ユニバーサル(2015)

 前作にあたる『Playlist』(2007年)はカヴァー中心の内容だったから、オリジナル主体の純然たるソロ作としては『Grown & Sexy』から10年ぶり。表題が示すように、今作はシンガーとしてのブレイク作『Tender Lover』(89年)へのオマージュでもある。同作からヒットした“Whip Appeal”のMV撮影で出会ったのが以降20年以上も(いろんな意味で)創作の源泉となった前妻トレイシーだと思えば、甘さも苦さも乗り越えての回帰という意味合いも感じ取れるのではないか。現時点ではスムーヴな童顔節が気持ち良すぎる先行カット“We've Got Love”しか聴けていないが……アフター7エル・デバージの参加にも期待は膨らむし、ジェントルでテンダーな愛の世界はこの冬を心地良く温めてくれることだろう。  *出嶌孝次

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