First Listen Live: Esperanza Spalding, ‘Emily’s D+Evolution’
2016年3月3日NY・ブルックリン BRICハウス
『Emily’s D+Evolution』の全米リリースを翌日に控えた3月3日、ブルックリンのダウンタウンにあるBRICハウスでショウケース・イヴェント〈First Listen Live〉が開催された。昨年のツアーで話題を巻き起こしたエスペランサのニュー・プロジェクトだが、世界各地を回ったあとにアルバムのおよそ半分が再録音されたそうで、このライヴがプロジェクトの最終完成形を披露する初めての舞台となる。今回のショウはシンプルなセッティングで、サウンドそのものと、〈人間の進化(Evolution)と退化(Devolution)〉を隠喩したドラマにフォーカスする構成となった。
オープニングは“Good Lava”。バンド・メンバーが山をプリントした幕をステージのバックに掲げる。イントロが始まると幕の中央部が下がり、冠を被ったエスペランサが登場。まずはコーラスとの掛け合いで、1コーラスとリード・ヴォーカルを執る。そして、ベースを手に取るとグルーヴが一気に加速し、〈Emily’s D+Evolution〉の世界へと導かれた。
昨夏のツアーでも卒業証書授与のパフォーマンスから始まり、学習することの難しさを語る“Ebony And Ivy”は、コーラスの3人が書棚から本を取り出し、エスペランサの手に開いた本を積み上げる。そしてラップのあと、卒業証書に替わる黄色いネクタイを巻いたエスペランサが、一冊の本を残して投げ出し、メロディー部分が始まる。コーラスの3人とのコール&レスポンスでストーリーが展開し、エンディングでエスペランサがベースを手に取ると、マシュー・スティーヴンスとのユニゾンを展開した。
続く“Elevate Or Operate”でアップライト・ピアノの前の箱が開けられると、エスペランサを模した操り人形と男性の人形が登場し、コーラスのエミリー・エルバートと黒子がそれを操作する。歌詞が人形の会話として表現され、エスペランサはワイルドなピアノ・プレイを聴かせた。昨夏のツアーではコーリー・キングとエルバートの2人だったコーラスにシャワナ・コルソが加わって、ストーリーの脇役も務める。また、“Noble Nobles”では、そのエルバートがリズム・ギターを奏でた。ジャスティン・タイソンの叩き出す強力なグルーヴと、マシュー・スティーヴンスによるスペイシーなバッキングとメロディー・ラインは、トリオ編成とは思えない分厚いサウンドを醸し出した。
ピークを迎えたのは“One”。圧倒的なダイナミクスで観衆を鼓舞し、1時間に及んだショウはエンディングへと向かっていく。最後の“Unconditional Love”を演奏し終えると、オープニングに登場した山がプリントされている幕をメンバー全員が纏っていた。そしてアンコールは、エスペランサによるピアノ弾き語りで“I Want It Now”をプレイ。音楽で語る壮大なドラマは幕を閉じた。
SETLIST
1. Good Lava
2. Rest In Pleasure
3. Ebony And Ivy
4. Elevate Or Operate
5. Noble Nobles
6. Judas
7. Farewell Dolly
8. Funk The Fear
9. One
10. Earth To Heaven
11. Unconditional Love
12. I Want It Now (Encore)
LIVE INFORMATION
Esperanza Spalding Presents: EMILY’S D+EVOLUTION
■大阪公演
2016年5月30日(月)大阪・梅田 CLUB QUATTRO
開場/開演:18:00/19:00
スタンディング:7,000円(税込/ドリンク代別)
■東京公演
2016年5月31日(火)東京・青海 Zepp DiverCity (TOKYO)
開場/開演:18:00/19:00
1Fスタンディング/2F指定席:7,000円/7,000円(いずれも税込/ドリンク代別)