清々しいまでの心地良さとポップ・トレンドを昇華したアイドラ節は絶好調!何かが起こりそうなこの夏のテーマソングはもう決まりだ!

 モテる男たちは季節を選ばないのかもしれないが、そうであっても夏がいい男たちをさらに輝かせるのは間違いない。ファッションと音楽の融合を標榜し、清々しいまでに気持ち良さを重視したトレンド志向の強い存在感によって着実に支持を広げてきたアイドラことI Don't Like Mondays.。すでに“PRINCE”を先行配信し、スタイリッシュなMVも公開していた4人がこの季節に合わせてニューEP『SUMMER』をリリースする。

I Don't Like Mondays. SUMMER コロムビア(2017)

 昨年のセカンド・アルバム『FASHION』が彼らのストレートなポップ趣味と時代性の重なり合った名作だとしたら、今作に漂うフィーリングはここまでの歩みに裏付けられた自信の大きさを窺わせるものだと言えるだろう。今回はタイトル通り〈夏〉をテーマに制作された楽曲集で、先述の“PRINCE”に加え、新曲“On my way”と“Shape of love”をフィーチャー。さらに代表曲“TONIGHT”のリミックスもプラスし、サマー・ソングの“WE ARE YOUNG”などメンバーの選んだ過去曲も並んで、気温の上昇も甚だしいシーズンを爽やかに演出するサウンドトラックのようにまとめられている。

 もちろん最注目すべきは新曲で、シンフォニックに響くイントロからいつもと違う表情を窺わせるオープニングの“On my way”は本EPからのリード曲。海外のスタジアム・ポップ・バンドが歌いそうなタイプのシンプルかつダンサブルな意匠で、フックへ向かってスケールを一気に広げていく展開の妙と、突き抜けるようなシンガロングの心地良さは直球のアイドラ節といったところだ。また、“Shape of love”は、『FASHION』収録の“Game over”や“TONIGHT”でいち早く取り込んでいたトロピカル・ハウス風味をアップデートした感触で、時代の音色とバンド・サウンドをよりタイトかつ親密に溶け合わせたもの。そのフレイヴァーは都会的でピュアなラヴソング“PRINCE”(ちなみにEPのリリース日がプリンスの誕生日である6月7日なのは偶然?)にも共通するもので、理屈抜きに聴き心地の良さを追求するアイドラらしさはここでも満点だ。さらに、世界のダンス・ミュージック最前線で活躍するKSUKEが再構築した“TONIGHT”のリミックスは、涼やかな音色も快いフューチャー・ベース仕立て。幻想的な意匠を纏った歌声と旋律の親しみやすさを改めて体感できる新鮮な味わいがあって、これまた夏映えする一曲に違いない。

 なお、初回限定盤のDVDには昨年行った初ワンマン・ツアーから、ファイナルにあたるZepp DiverCity TOKYO公演のライヴ映像を11曲収めたもの。この夏も忙しい4人の姿を映像で予習しつつ、ここから加速していく熱気に負けないよう、いまから『SUMMER』の心地良さを夏のプレイリストにセットしておこう。

 

I Don't Like Mondays.の作品を紹介。