〈フレンチ・エレクトロ〉のブームを作り出したレーベルのひとつであり、実際はその形容から離れた多様なスタイルを提案して先端を更新し続けてきたのがエド・バンガーである。100タイトル目のリリースとなる記念盤は、レーベルに所属する(orリリース歴のある)面々のエクスクルーシヴな新曲のみをコンパイル! セバスチャンのダウンテンポ歌謡や、メイヤー・ホーソーンの歌も暑苦しいビジーPのエレポップ、ブレイクボットのお洒落フュージョンなどをイマっぽいと思うか、昔と変わらんと思うかは受け手次第。他にもカシアスやジャスティス(ボーイズ・ノイズによる新リミックス)、オアゾ、フェッズなど看板アクトの楽曲は流石の充実ぶりで、変態ハウスのボルシアらアルバムが待たれる連中も奮闘しているし、ポール・マッカートニーのテクノ・ポップ古典に挑んだリトンら外様も光る。後進のブロマンスやパーティーファインに負けない……というか、そのへんの音もあらかじめ内包している老舗ならではの底力と余裕が楽しい一枚だ。