©水薙竜・講談社/ウィッチクラフトワークス製作委員会

 自身名義の作品は寡作だが、外部ワークスやソロでの作品は多数のリリースがあるTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。ここではその一部を紹介しよう。まず本文中のサントラ『EX MACHINA』と同様にテクノボーイズの名が世に知られる契機となったのは、アニメ「らき☆すた」のオープニング・テーマ“もってけ!セーラーふく”のリミックス。原曲はハイテンションな萌えファンクだが、セーラー服に関する断固たる主張(演説)もまぎれこませたIDM調の改編版には、密やかにぶっ飛んだ3人の個性がくっきりと。直近では、Annabelに和テイストのエレクトロニカ“CLOUDY”を、結城アイラに性急なエレポップ“Mind Limit”を提供している。

 結城アイラの2014年のシングル“愛しき抗いよ、導け光へ”

 続いて個々の仕事に目を移すと、多くのアニメのサントラを手掛けているのは石川貴久。オーケストラ・アレンジも可能な音楽知識とエレクトロニクスを融和したエレガントかつ荘厳な音世界が持ち味と言える。そして、作詞家としての活躍が際立つのが松井洋平。ユーモラスな当人のキャラに反して(?)、アニメの世界観に呼応しつつもさりげないロマンティシズムが感じられる筆致が特徴的だ。そして最後は、昨年、単独でオリジナル・アルバム『mild blue tone』を発表したばかりのフジムラトヲル。ここでは生音を瑞々しく響かせたエレクトロニカからグリッチ・ノイズをまぶしたアンビエントまで、幅広く端正な電子音楽を堪能することができる。

フジムラトヲルの2010年作『mild blue tone』

 

▼文中に登場した関連作品

左から、2007年のシングル『らき☆すた Re-Mix002~『ラキスタノキワミ、アッー』【してやんよ】~』、Annabelの2014年作『TALK』、結城アイラのニュー・シングル“愛しき抗いよ、導け光へ”(すべてランティス)
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▼石川智久による作品

左から、2006年のサントラ『イノセント・ヴィーナス』、2013年のサントラ『SHORT PEACE』(共にランティス)
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▼松井洋平が作詞で参加した作品

左から、姫萩紅葉の2013年のシングル『犬とハサミは使いよう キャラクターソング7「儚き季節に舞う蝶よ」』(avex trax)、茅原実里の2014年のシングル“FOOL THE WORLD”(ランティス)
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▼フジムラトヲルの作品

2010年作『mild blue tone』(auto)
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