Page 2 / 2 1ページ目から読む

〈New Vintage SOUL〉に練り込まれた音魂

 ということで、本人の証言に基づいてそのへんもうちょいズーム。1曲目“ロンリーGirlはロンリーSoul”のサウンドはステイプルズ“Sweeter Than The Sweet”をリファレンス。輪入道との“自作自演”には、マーヴィン・ゲイ『I Want You』の色香が。なお、この曲をはじめとする数曲では伝説のソウルマン、安田明がバッキング・ヴォーカルを! 80sテイストの“マスケラータ-mascherata-”は、ワールド・フェイマス・スプリーム・チーム“Hey DJ”やシャラマー“A Night To Remember”あたりから。“Love you Love you”は、ハニー・コーンをサンプリングしたアヴァランチーズ“Because I'm Me”にインスパイアされたもので、ここで聴けるファンキーなトラックは、和モノ・クラシックとして知られるB.B.S“恋のチャンス”が元。“マッシュポテト・タイム”はディー・ディー・シャープが62年にヒットさせた曲だが、同年に目方誠がカヴァーしたものを参照。LMFAOを意識したという思い切ったアレンジは、その日本語カヴァーがあまりにも強烈だったからだとか。“プレイガール・クイーンのウェディング・ベルが鳴る”は、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル“Ain't No Mountain High Enough”を思わせるノーザン・ダンサー。“エマニエル夫人”のカヴァーは、敬愛する安井かずみの詞を歌いたいという動機から選曲。“愛のため息”は、着想元こそジャッキー・ウィルソンながら、実際のサウンドは70年代のインプレッションズを参考にしたものだそうですよ。