石野卓球(50)
怒涛の一年を締め括るソロ・アルバムと仕事集! そして新年を告げる電気グルーヴのシングル!!

 TVをつければピエール瀧、という状況が顕在化して久しい2017年、4年ぶりのフル・アルバム『TROPICAL LOVE』とそのインスト盤、さらにはベスト盤……とリリース面もいつになく充実していた電気グルーヴ。で、そうした電気の活動と並行して、サ上とロ吉のプロデュースや、TMネットワーク、BUCK-TICK、Cutemenらのリミックスなど、石野卓球の活発な動きも目立っていたわけだが、そんな忙しい年の暮れに届いたのがソロ・アルバム『ACID TEKNO DISKO BEATz』である。

石野卓球 ACID TEKNO DISKO BEATz キューン(2017)

 前年の『LUNATIQUE』から1年強での新作というのは、これまでのソロ・アルバムの履歴で見ると異例の短いスパンとなるが、リリース日の12月27日は彼の50歳の誕生日。かの“Happy Birthday”ばりに〈おめでとう自分〉なモードなのかは不明ながら、往年のアシッドなカラーリングをモチーフにした(電気の『YELLOW』も連想させる)ジャケの禍々しい脳天気さが示すように、何周してもフレッシュな芯の強さはいつも通り。今回はニューウェイヴ色の強さとメロディアスな人懐っこさが際立っている。

 なお、年明けにはアニメ「DEVILMAN crybaby」のテーマ曲“MAN HUMAN”が電気のニュー・シングル(卓球と七尾旅人による“今夜だけ”もスプリット収録)として登場。その先には、卓球個人の全キャリアを高校時代の宅録ユニット=Merry Noiseまで遡って包括した恐るべきボックスセット『Takkyu Ishino Works 1983~2017』も控えている。この様子では50代もきっと大暴れしてくれるに違いない!