シンガーとして深みのある豊かな表現力を獲得した2年半ぶりの新作。フォーキーな色使いが特徴であった前作と打って変わり、大々的にエレキ・ギターがフィーチャーされているが、闇を縫うように伸びていく音色と夢想的な声の響きが非常にマッチ。何やらイマジナティヴな世界観を湛えているのが素晴らしい。気分が全然晴れないシティー・ポップ・チューン“夜になる”など、楽曲の質の高さも特筆すべき点だろう。