H ZETTRIOから2月10日に静岡県コンベンションアーツセンター〈グランシップ〉で開催された〈H ZETTRIO LIVE “WITH US” in GRANSHIP〉のレポートが届けられた。以下に全文を掲載する。

同公演では、昨年の〈秋の大感謝祭〉のレポートでもお伝えしたポイとのコラボレーションを披露。さらに和楽器ユニット・AUN J CLASSIC ORCHESTRAと共演するなど、ますますその音楽性を広げ、エンターテインメント性を高めた3人の様子がレポートでは捉えられている。

2019年のH ZETTRIOは12か月連続で新曲の発表を試みるなど、これまで以上のパワフルな活躍を見せている。4月27日(土)には大阪でライヴ〈こどもの日スペシャル〉を開催する赤・銀・青の鼻の3人から、ますます目が離せなさそうだ。

 


2月10日、静岡県コンベンションアーツセンター〈グランシップ〉でH ZETTRIOのスペシャル・ライヴが開催された。

開演前、巨大な船を模した会場ロビーは、子どもから大人まで、青・赤・銀と鼻を塗った人々が大きな期待と興奮と共に溢れていた。そしてさらに開演前にワクワク感を高める出来事があった。

今回のライヴではニュージーランド先住民族マオリ族発祥の〈ポイ〉を使ったアート集団〈POI LAB(ポイラボ)〉とH ZETTRIOとのコラボレーションにより、POI LABの掲げる〈1000人ポイ計画〉の実現へのステップとして、巨大な会場を活かし、観客全員でポイを使っての今年元日にリリースされたH ZETTRIOの新曲“Journey”のミュージック・ビデオ収録が企画されていた。

その前説として、初心者でも分かりやすい振り付けと、ポイの貸し出し、回し方のレクチャーが行われ、なかには自作のポイで参加する親子もいた。すでに会場はお祭りのような華やかさになっており、いよいよ客席の明かりが落ちると、満員の大会場は拍手と歓声で埋められた。

 

颯爽とステージに立ったH ZETTRIOの3人。いきなり激しいピアノ・リフから、最高潮のテンションで演奏が始まった。1曲目は“Mysterious Superheroes”。昨年発売された4thアルバムのタイトル曲で、H ZETTRIOらしいキャッチーさと、怪しさと、高度な技術の詰まった楽曲だ。

会場の雰囲気を一気に持っていく演奏から人気曲“Beautiful Flight”“Something Special”。ピアノのH ZETT Mのその軽やかな指さばきがメロディアスで美しい旋律を奏で、確実なグルーヴで支えるダブル・ベースのH ZETT NIRE、繊細かつ大胆なドラミングで楽曲の幅をさらに広げていくH ZETT KOU。3人が織りなす唯一無二のアンサンブルが会場を埋め尽くす。

“MESHI -episode2-”“あしたのワルツ”と続き、前述のPOI LABと最初にコラボレーションしたときの曲“Fiesta”が始まる。POI LABが登場し、ステージは一気に華やかに。客席は配布された3色のサイリウムの光で埋め尽くされ、会場の全員がPOI LABの振り付けでそれを振る光景はとても美しく、まさにこの日のイヴェント・タイトル〈WITH US〉の名の通り会場とH ZETTRIOが一体になる瞬間であった。


H ZETT MとPOI LABによる簡単な前置きの後、いよいよ“Journey”のMV収録の始まりが伝えられると、客席脇の通路に子どもも大人もポイを持って広がり、みなが思い思いに回しはじめる。会場の一体感はさらに増し、ハッピーな笑顔で満ちあふれた空間が出来上がっていた。この収録されたMVはH ZETT Mの言葉を借りると〈平成中には公開される〉とのことで、ぜひ楽しみにお待ちいただきたい。

ここで会場は幸せな空気の余韻で満たされながら、第1部が終了となり、15分間の休憩に入った。

 

再び客席の明かりが落とされると、突然、力強い和太鼓が鳴り響く。なんと、これまで背景だと思われていたステージ後方の幕が開き、和楽器ユニット〈AUN J CLASSIC ORCHESTRA〉が登場し、大きな歓声と共に第2部が、文字通り幕を開けた。

そしてH ZETT Mが一人で登場し、ピアノを弾きだすと、H ZETTRIOとはまた違うアンサンブルが会場を包み込む。力強い和楽器の上に軽やかなピアノが栄える。後にMCで語られたが、H ZETT MとAUN Jの井上公平が共作した新曲“Geometric Life”の初披露となった。

H ZETTRIOが日本の名曲をカバーし世代間の橋渡しを試みる、昨年より始まったTV番組「SPEED MUSIC - ソクドノオンガク」(tvkテレビ神奈川にて毎週水曜日22:55~23:00放送中)での共演がきっかけで意気投合、今回のコラボレーションに至った新曲は、伝統を感じさせながらも新しい時代の感覚を盛り込んだ楽曲であった。今回は篠笛、中棹三味線、和太鼓、尺八、鳴り物の5人がライブに参加。彼らもまた伝統楽器を使いながら、その高度な技術とエンターテイメント性を両立させる和楽器集団だ。

再びH ZETT NIRE、H ZETT KOUの2人もステージに戻り、総勢8人で「SPEED MUSIC - ソクドノオンガク」でも披露された“北酒場”“ソーラン節”と続いた。大迫力のステージに会場の興奮が一気に最高潮に達すると、ピアノトリオと和楽器の掛け合いもその勢いを増し、素晴らしいセッションが繰り広げられた。

そしてそれに続いたのは、この2組のコラボレーションにぴったりの楽曲“Neo Japanesque”。ここになんと先ほどのPOI LABも再び登場し、3組によるスペシャルなコラボレーションが実現し、ド派手な演出に会場は歓喜と興奮に包まれた。一体となった会場の空気を背に、演奏は勢いを増し、まさに伝統と最先端が融合した最高のエンターテインメントがH ZETTRIOによって生み出された瞬間となった。

AUN J クラシックオーケストラ、POI LABを送り出し、再び3人だけで魅せるパートが始まった。“どこか遠く”では美しい光の演出がなされ、“PIANO CRAZE”“Dancing in the mood”から、さらに特別なアレンジで届けられた“What’s Next”とH ZETTRIOの魅力が詰まった演奏が繰り出される。

最後の曲は“幻想ノスタルジック”。今年2019年は毎月一曲、12か月連続新曲リリース(!)を発表している彼らの第2弾シングル、先日2月1日に発売されたばかりの新曲だ。この曲は沖縄の東南植物楽園のTV CMソングになっていることもあり、沖縄では話題を呼んでいたが、これが本州で披露されるのはこの日が初めてとなる。耳馴染みの良いメロディーでH ZETTRIOの得意なポップさが表現された楽曲だ。

この新曲の披露に大興奮と大歓声のなか、ついにH ZETTRIO、2019年最初のライヴの本編が終了した。3人は声援に応えながらステージを降りたが、スペシャルな内容盛りだくさんの演出に、会場からは鳴り止まないアンコールが続いた。

 

3人は再び登場し、彼らのハッピーチューン“Get Happy!”で観客に応える。そして、さらに来月3月1日にリリースされる連続リリース第3弾の“Lovely”が初披露された。疾走感溢れるアグレッシヴなビート、激しくうねるベースラインとピアノの旋律が複雑に絡み合い、最高潮のテンションをさらなる高みへと持っていく怒涛の演奏が繰り広げられ、会場中が息を飲み一体となった熱量で満たされるなか、ついに〈H ZETTRIO LIVE “WITH US” in GRANSHIP〉の幕が下ろされた。

 

今年もさらなるエンターテインメントで我々を楽しませてくれるであろうH ZETTRIOの3人。今後の活躍により一層の期待を感じずにはいられないステージだった。次のライヴは3月末の兵庫県での2daysホールツアー、そして毎年恒例の特別ライヴ〈こどもの日スペシャル〉が4月27日(土)、大阪城音楽堂で開催されるとのこと。どれもチケットは売り切れ間近とのことなので、ぜひ早めのチェックをおすすめしたい。

老若男女、誰もが〈笑って踊れる〉ピアノ・トリオのさらなる進化をぜひ体感してみてはいかがだろうか。

 


Live Information

H ZETTRIO こどもの日 Special in 大阪野音 - Virtual World(Jazz)-
4月27日(土)大阪城音楽堂
開場/開演:15:00/17:00
前売り:5,000円(税込/全席未定)
※年齢制限なし 
※大人1人につき未就学児の膝上鑑賞可(座席が必要な場合はチケット購入が必要)
お問い合わせ(SMASH WEST):06-6535-5569
http://smash-jpn.com
http://smash-mobile.com

 

H ZETTRIO HALL TOUR “Lovely 2019”
3月30日(土)兵庫・赤穂市文化会館ハーモニーホール 大ホール
3月31日(日)兵庫・丹波市立ライフピアいちじま 大ホール
開場/開演:16:00/17:00
前売り:4,000円(税込/全席指定)
※3歳以下入場不可、4歳以上チケット必要
チケット一般発売日:1月19日(土)

 


TV Information
SPEED MUSIC - ソクドノオンガク

tvk テレビ神奈川
毎週水曜日 22:55〜
国内における〈時代を超えた名曲〉を選曲し、いま注目を集めるピアノ・トリオ〈H ZETTRIO〉が、スピード感溢れる独創的なアレンジで毎週カヴァー。多世代間の橋渡しとなり世代を超えた興奮と感動をお届けします。
http://www.sokudonoongaku.com/