ストップ・メイキング・センスとメッセージしたのは84年のトーキング・ヘッズだが、センスメイキングこそが今必要とされる、知の技法だとメッセージする人が現れた。クリスチャン・マスビアウである。アルゴリズムに支配される今日の社会の状況を憂慮する彼は、単なるビッグデータのマッシヴな集積ではない、文化、歴史、つまり人の営みに対する脱領域的知識の知的集積こそが、そうしたデータを理解し活用するのに必要だと主張する。そうりゃそうだ! AIが図抜けて抽象的で不条理小説を書いたところでそれを楽しむのはAIではない、我々人だなのだ。文字を並べるのが文学ではない、音楽もしかり。