ギャンパレらしさ、だけじゃない
——その〈GG WACK TOUR〉のファイナルで、今回のメジャー・デビュー・シングル“ブランニューパレード”を初披露されましたね。
サキ「メジャーの一発目に相応しいストレートな曲で、ギャンパレらしいんだけど、それだけじゃない、みたいな。〈らしい〉だけだと入りづらいじゃないですか?」
ミキ「新しいお客さんがね」
サキ「そうそう、ホントにいろんな人が聴きやすいポップな曲だなと思います」
ココ「良い曲。“LAST”が重かったぶん、振り幅が凄いですよ」
サキ「確かに。『LAST GANG PARADE』からの“ブランニューパレード”っていう流れもキレイだなって思いますね」
——曲を貰ったのは今年に入ってから?
ユア「2月にレコーディングしたから、曲をいただいたのは1月ぐらいでした」
ミキ「デモの段階で松隈(ケンタ:サウンド・プロデューサー)さんが仮歌を入れて送ってくださってたんですけど、その時点で〈ブランニューパレード〉っていう言葉はあって、松隈さんが思うGANG PARADEみたいなのを歌ってくださっていて」
ユア「〈滑舌の悪い子なんです/歌い方のクセが取れません〉みたいな(笑)」
ハルナ「〈カバンの中スプレー爆発〉とか」
ミキ「ハルナがレコーディング中にスプレー缶を爆発させたことがあって(笑)。そういう部分でも背中を押していただいているというか、ギャンパレに向けて〈これからがんばっていけよ〉みたいな意味合いで書いてくださったのかなと思ってて。で、その流れで渡辺(淳之介:WACK代表)さんが作詞しているので、改めて気が引き締まるというか、たくさんの方の思いが詰まった曲なのを感じ取れるし、〈ここからもっと突き進んでいきます〉っていう気持ちを示しやすい曲だと思いました」
ココ「松隈さんはいつも誰が歌うか考えないで書くそうなんですけど、〈この曲だけはお前らのことを考えながら作った〉って言ってくださって。それが嬉しかったです」
マイカ「9人になってからエモい路線が続いてたので、最初に聴いて〈お~、久しぶりだな、この感じ〉って思いました。私の甥っ子が“Happy Lucky Kirakira Lucky”が大好きで、踊るんですよ。で、どちらかと言うとそっちに似ているじゃないですか? ポップで。だから、〈これはキッズにもウケるぞ〉と思って、凄いワクワクしてますね」
——お客さんの反応もいいですよね。
ココ「いや、ホントにいいよね?」
サキ「そう、〈GG WACK TOUR〉のファイナルで初披露した時から、めっちゃお客さんの手が挙がってて、BiSHのアイナ(・ジ・エンド)に〈あれ、初披露だよね?〉って訊かれたんで、シメシメって思いました(笑)。その前にもTV収録で限られたお客さんの前でやってたんですけど」
ドク「その時からサビで一緒に手を挙げてくれてたんですよ。〈何で知ってんねん?〉って(笑)」
——振付けはサキさんとマイカさんが共同で手掛けられて。
サキ「はい、間奏ではココを担いでからの〈間すり抜けダンス〉という技もありつつ」
ドク「毎回けっこう命がけなんですよ」
ココ「どんどん速くなるしね、テンポが」
ドク「自分たちはめっちゃドキドキなんですけど、意外と簡単に見えたらどうしよ、みたいな。動きは単純だから」
ココ「最初はみんな顔が怖すぎて、リハの動画とかを観たら、もうみんな真顔っていうか鬼みたいな顔してて。〈いや、ちょっと怖すぎるよ、これは〉って」
マイカ「練習では鏡があるからできるんですけど、手元を見ちゃうと画的にも良くないから。ホントに息が揃わないと成功しないし、やっぱ互いに信じてやるしかない」
サキ「でも、あの間奏のおかげで凄い良い流れでラスサビに行けますよ」
月ノ「そう、達成感がある」
マイカ「〈成功したぞー!〉って、で、サビ行くっていう(笑)」
——MVでは役者さんも出演されて、応援歌という側面をドラマ仕立てで見せる内容でしたけど、皆さんのメイクというか、派手な扮装もカッコ良かったですね。
ドク「そう、サキちゃん絶賛の声が凄い」
サキ「あれでリーゼントに目覚めましたね(笑)」
——撮影はいかがでしたか?
ココ「スタッフさんの数が尋常じゃなくて」
ドク「ねえ。圧倒された」
ミキ「ヘアメイクしてる最中にクレーンみたいなのが現れて、〈え、何あれ?〉って(笑)」
サキ「いま使ってない学校で撮影だったから、〈工事中なのかな?〉ぐらいに思ってたんですけど、自分たちの照明だってわかった時にホントにビックリして」
ココ「クレーンがデカすぎて、しかもそれが照明っていうことに気付いた時に、〈ヤバイ場所に来てしまった〉と思って(笑)」
——昔はクレーンに吊られてたけど。
サキ「アハハハ。そうですね、いろんな使い方がありますね(笑)」
ミキ「懐かしい……」
ユユ「あと、私たちの撮影が終わって帰り支度してたら、窓の外の運動場の木が生い茂ってる先からめっちゃ煙が出てて、〈何してるんやろう?〉って思ってたんですけど、完成したMV観たら、プールで花火をやってるシーンがあって、〈あれも私たちやったんかい〉って思いました(笑)」
ココ「わかる。自分たちの知らないところでたくさんの人がめっちゃ動いてくださってるのを知って、気持ちがキュッとしたというか。しっかりしなきゃって思った」
サキ「ね。だからこんな良い環境でメジャー・デビューさせていただいて、凄く嬉しいなって思いましたね」
また未知数になった
——はい。で、カップリングの“Dreamer”は真逆のカッコ良い曲になりました。
ユユ「“ブランニューパレード”の底抜けに明るい感じとはまったく逆のダークな曲調なので、こっちは〈メジャー・デビューするぞ!〉っていうのを気にせず作詞しました。人間の悪いところっていっぱいあるじゃないですか? やろうと思うことやらなかったり、ダメなのはわかってるのに、どうしても殻を破れなかったり。でも、自分にもそういう性分があるので、そういう人間がもがいてもがいて、どうにかしようとしているっていうところを書きました」
ココ「こういう100%バキバキにカッコイイ正統派な曲が、カップリングに入るのって久しぶりすぎるから、最近ギャンパレ好きになった人はビックリすると思う」
ミキ「逆にね(笑)」
月ノ「それこそ私たちが加入してからカップリングがまともな曲だったのが初で。〈まとも〉っていうと語弊がありますけど(笑)」
サキ「変わり種がね、多かったから」
ユア「“とろいくらうに食べたい”(2018年のシングル“BREAKING THE ROAD”のカップリング曲)から始まったんだよ」
ドク「そう。クセ強カップリング」
ココ「クセの強い楽曲がくると〈なるほどね〉ってなるんですけど、非の打ち所がないカッコイイ曲なんで、めっちゃ新鮮です」
サキ「ね。振付けはマイカが作ってくれて」
マイカ「はい。ミキちゃんが合宿に行ってる最中にニコ生を観ながら、私が考えてきた振りをみんなに教えて、ちょっとずつみんなで良いように直していって。“ブランニューパレード”の振付けも一応サキちゃんと一緒にやらせてもらったんですけど、その時は私がぎっくり腰になっちゃって」
サキ「大事件があったね(笑)」
マイカ「そう、スタジオで“ブランニューパレード”の振り落としをする初日の、ホントにイントロが鳴ってポーズを取った時に〈え?〉って、動けなくなってしまって」
ユユ「人がぎっくり腰になる瞬間、初めて観ました」
マイカ「もう、みんな爆笑ですよ、動画撮りはじめましたもん(笑)」
——笑いごとじゃないですけども。
マイカ「それで途中でサキちゃんに任せちゃった部分が多かったので。“Dreamer”の振りにはその間のいろんな思いも込められています(笑)。動けない間に自分なりにいろんなものを吸収したし、ユユの歌詞も参考にして妖しげな雰囲気を入れたり、カッコイイ系にできたかなって」
——はい。この先の5月には野音ツアーが控えていて、9人最後のワンマンが大阪、10人最初が日比谷っていう、両方とも意味のある日になりましたね。
月ノ「私とハルナは大阪の野音で合格発表だったので、実質9人になった始まりの場所で9人ラストを迎えるというのが、何か……感慨深いなと思って。だからいろんな気持ちを込めてステージに立てるだろうなと思ってますし、だからこそみんなに来てほしいなって思ってます」
——ただ、メンバーが増えることもあって野音にゴール感がなくなったというか、また続きが見えてきたとも言えます。
ココ「はい。また最高人数を更新して、また未知数になったので」
サキ「自分たちでもまだ予測できないんです、良い意味で。最近はいまのギャンパレをきっかけにプラニメからの変遷も知ってくださる方が増えたなって実感してるんですけど……プラニメ時代に小さなハコで定期公演をやらせていただいていた大阪と東京の、その両方で由緒あるステージに立たせていただけるというのはグループの歴史として考えても凄く意味があるので。そこで当日来てくださった方以上の人たちにも〈いまのギャンパレはこんなに凄いんだよ〉って証明できたらきっと良い未来に繋がるので、まずは未知な続きを見せるための日にしたいなと思います」
GANG PARADEの近作を紹介。