ミニ・アルバム3部作を経て届けられた初のフル・アルバム。“fallin'”など既発の代表曲もピックしながら、常田大希らゲスト陣も迎えて作り上げた12曲を収録している。デビュー当初は現行のR&Bやビート・ミュージックなどを巧みに消化する手つきが目を惹いたが、アルバムのヴォリュームで向き合うことで感じ入るのは、枠組みに捉われない多様なソングライティングの才覚だ。特にドラマティックなラヴソング“pink”やフォーキーなバラード“あれから動けない”あたりからは、80年代の大沢誉志幸や岡村靖幸に通じる歌謡曲寄りのポップメイカーとしてのポテンシャルを感じるし、だからこそ2019年において稀有な存在に思える。“Last Haze”などでのスタジアム・ロックをモダンに構築するセンスも痛快!