開店25年目に突入した下北沢のライヴハウス、BASEMENTBAR。いつの時代もバンドマンやDJに愛され続けている人気店です。そんなBASEMENTBARでブッキングを担当しているスタッフ4名が、いまライヴを観てほしいミュージシャンを紹介する連載〈下北沢で噂のあいつら〉。第7回目となる今回は、東京パピーズ、アポンタイム、Jurassic Boys、VINCE;NTの4組をオススメしてくれました。きっとビビビとくるアーティストが見つかるはず。記事を読んで、BASEMENTBARに走れ!! *Mikiki編集部

 

店長・クックヨシザワの〈噂のあいつら〉!

こんにちはこんばんはおはようございます! 連載は7回目を迎えました。店長クックヨシザワです。今回紹介するアーティストはコチラ!

アポンタイム(APONTIME)

岐阜出身、平成元年生まれの歌うたい、三輪卓也を中心に〈三輪卓也BAND〉として活動を始め、2019年7月にファースト・アルバム『Nothing Special, Something Good』をリリースしたタイミングでアポンタイムというバンド名になりました。

メンバーは変わらず、以前の曲も引き続き演奏しているし、変わったのは名前だけかと思いきや、先日のレコ発ライヴ(BASEMENTBARにて)を観ていて、バックバンドだったメンバーたちがバンドの一員としておのおの主役になっているのを感じて嬉しくなりました。バンド名を付けるときに何か約束をしたのか、はたまた自分の思い入れが強いからそう感じたのかはわからないけれども、バンド・マジックってあるんだと思う。

2019年作『Nothing Special, Something Good』収録曲“村一番の美女”のライヴ映像
 

先人たちの音楽へのリスペクトが染み込んだ、日常に散りばめられた愛を歌ったナンバーの数々はロックやポップスのおいしいところを抽出していて、オールタイム、オールプレイス、生活のどんなシーンでも聴きたくなるサウンドです。三輪卓也の少ししゃがれたスウィートな歌声とシンプルで芯のあるメロディーが聴く人の心をキャッチします。

百歩譲って、控えめに言っても、グッドなミュージック! ファースト・アルバムも最高なのですがぜひ!そのイヤホンを外して、ライヴで観て聴いてください!〈むかしむかし〉ではなく、みんなが暮らす〈いま〉の音楽です。

2019年10月1日(水)下北沢BASEMENTBAR
Pile up!
開場/開演:18:30/19:00
前売/当日:2,000円/2.500円(+1ドリンク)※学生証提示で1,000円(+1ドリンク)
出演:三つ峠/アポンタイム/MURAバんく。/エルモア・スコッティーズ/The Flying Videotape
★前売予約など公演の詳細はこちら

 


元副店長(現HALF店長)・こっけの〈噂のあいつら〉!

短い夏が、あっという間に終わってしまいましたね。あっという間に今年も終わってしまいそうです。というわけで、こんにちは、こっけです。

さて、今回僕が紹介するのは、こちらのバンド。

東京パピーズ

彼らと出会ったのは2014年頃で、(BASEMENTBARに)はじめて出演してもらってからというもの、ライヴハウスとしても、バンドマンとしても、お互い切磋琢磨する仲になりました。

まず何と言っても、ギター&ヴォーカルの木村太郎の声のかっこよさ。これですね。ロックを歌うための声っていうんですかね。震えるんすよね。空間が。その震えは鼓膜を通り越して、心まで届く。そのかっこいい声で歌われる歌詞がまた最高。尖った言葉のなかにある、悲しさや寂しさや虚しさ。優しく聴こえたり、乱暴に聴こえたりする愛の言葉。日々の暮らしのなかに隠れている、大きな問題を、ちょうどいい塩梅で、提示してくれる切り口。木村太郎の歌詞が、僕は本当に好きです。ありがとう。

その言葉がのっかる、しっかり〈J-Rock〉を通ってきているメロディー。これもパピーズを説明する上で欠かせない部分。バンプだしミスチルだし、aikoだし椎名林檎だ。カラオケで歌いたい。この曲いいでしょ? 知ってる?ってドヤ顔で歌いたい。100点でなさそうだけど、歌ってて気持ちよくなれる。そんなグッド・メロディー。

2015年のミニ・アルバム『東京』収録曲“道”
 

そして、幾度となるメンバーチェンジを経て、最強の演奏メンバーとなったのがいまのパピーズ。(まあいつだってバンドは〈いま〉が最強なのですが!!)

ベースのヒロ・ハミルトンとドラムスの阿部絵平が繰り出すエイト・ビート。シンプルでタイト。ダイナミックで繊細。そんな彼らのしっかりとしたリズムの土台があるから太郎は気持ちよく歌えるんだろうな、と。2人とも楽しそうに演奏するのが、とてもかっこいい。

サポートの木村祐介(通称:ザキム)のギターも最高。かゆいところに手が届きまくる。彼が所属するArtTheaterGuildでの演奏もそうだが、音色/音量/フレーズのバランスが、本当に素晴らしい。楽曲への理解度が高いのだと思う。ライヴを観るたびに悶えてます。

そんな彼らは最近2曲のシングル“火星の暮らし”“漂流教室”を配信限定で発表。いずれも2015年にリリースした初の全国盤『東京』と同じく、ストロークスやモーモールルギャバンらを手掛けてきたヨシオカトシカズ氏がプロデュースしています。ライヴでもセットリストの中心になっている曲たち。聴き応えバツグンなので是非チェックしてください。

きみに触れて はじめて

街の色が見えたよ

小さな寝言をきいて
夜空の形を知ったよ

かなしいときだけ神頼み
賽銭投げて 手を合わせていた

僕の悪いとこ いちばんいいとこ

“火星の暮らし”

しっかりとした日本語で歌いながら、欧米の歴代のロック感をしっかりとアレンジメントに織り込んでいる。決して大げさではなく、東京パピーズというバンドがいるだけで、日本語ロックの未来に希望が持てる僕がいる。なんてことを言うと、〈お前もがんばれや!〉と言われそうですが、そういうところも含めて本当に大好きです。HALFへ異動になったあとも、太郎には弾き語りで出演してもらってます。声と歌詞とメロディーのみで聴くパピーズの曲も最高ですので、そちらもぜひ。

こちらパピーズのライヴ情報です! 心震わせてくださいな!

2019年9月27日(金)名古屋CLUB ROCK'N'ROLL
ANABANTFULLS「自然発火リリースツアー名古屋編」
出演:ANABANTFULLS/Bray me/東京パピーズ/INNOSENT in FORMAL

2019年10月4日(金)下北沢HALF
TREE TREE TREE
開場/開演:18:30
前売:2,200円(+1ドリンク)
出演:‪木村太郎(東京パピーズ)/‪森修平(本棚のモヨコ)‬/‪さくらいたかよし(マイアミパーティ)‬
★前売予約など公演の詳細はこちら

2019年10月6日(日)横浜CLUB SENSATION
ハイエナカー企画「うなずけないキミヘ」
出演:ハイエナカー/まちぶせ/東京パピーズ

 

スタッフ・かたしょの〈噂のあいつら〉!

こんにちは、かたしょです。今回僕が紹介させていただくバンドはJurassic Boys!

Jurassic Boys

元はと言えばMONO NO AWAREのドラマー、(柳沢)豊が大学時代の先輩とやっているもうひとつのバンド、ということから彼らを知りました。90’年代のUSオルタナティヴ、骨太なロック、音楽的に表してしまえばそのとおりですが、まあとにかくカッコいい! 情景が浮かぶドラマチックなメロディー、ノスタルジックだけど力強い歌詞、豊富な音楽体験に裏打ちされた確かなサウンド、そのひとつひとつが彼らの根っこの部分から生まれてきてるんだなと確信させるライヴ。彼らのカッコよさって飾られたものじゃなくてすごくナチュラルなカッコよさなんです。だからめっちゃ強い。

聴きながら〈煙草吸ったらオレも少しはカッコつくのにな〉なんて思うのは、どうしようもなく好きなGRAPEVINEかJurassic Boysくらいです。

Jurassic Boysの2019年作『Jurassic Boys』収録曲“Soul Train”
 

はじめてこの曲を聴いたときには〈とんでもない曲を作ってきたな〉と思い、そのあとに音源を手に入れイヤホンで聴いたときにはいつもの景色もまるで違って見えるような感覚に陥りました。先日発売されたフル・アルバムも会心の出来なので、通して聴いてほしいなあ。

そんなJurassic Boysが10月27日(日)に盟友(こっけも上で触れていた)ArtTheaterGuildとツーマン・イヴェントを開催します。両バンドの魅力がたっぷり伝わる1日になるはずなので、ぜひともお越しください! お待ちしております!

2019年10月27日(日)下北沢BASEMENT BAR
Jurassic Boys × ArtTheaterGuild 2マンライヴ「S/T」
開場/開演:19:00/19:30
前売/当日:2,500円/3,000円(+1ドリンク)
出演:Jurassic Boys/ArtTheaterGuild 
★前売予約など公演の詳細はこちら

 

私事ですが、今週末に自身がブッキングを務める野外フェス〈MACHIFES. 2019〉を群馬県の小平の里で開催します。会社を通さず有志のスタッフとみなさんの協力で開催しているフェスで、東京ではなかなか感じられないようなゆったり感とロケーション、温かさが魅力です。東京からだと最初から最後まで観て日帰りできるくらいの距離感ですので、ぜひ遊びに来て下さい! おまちしております!

〈MACHIFES. 2019〉オフィシャルサイト

 

副店長・高木の〈噂のあいつら〉!

今回も読んでいただきありがとうございます。高木です。

本日ご紹介させていただきたいバンドはVINCE;NT(ex.Vince)です。

VINCE;NT

2019年のライヴ映像
 

東京で活動中の男女4人組、ロック・バンド。

USのインディー・シーンから影響を受けたこのバンドは、ジャンルにとらわれず独自のスタイルで突き進んでいます。新時代を築く可能性を秘めており、すべてを揺るがすかもしれない類を見ないバンド。たくさんのリスナーに発見されるのもそう遠くはないはず。

10月からメンバーと活動形態が変わり、はじめてのフィジカル音源をリリース予定。さらに、それまで活動してきたVinceよりVINCE;NTに改名するとのことで、いよいよ本格的に動き出す彼らに注目です。

ギター/ヴォーカルの新間くんとは元々はOliver(現Pale Fruitsの稲本くんがリーダーを務めていたバンド)のギタリストとして知り合いました。彼から〈新しいバンドを始める〉と聞いたときは、ポップなロック・バンドをやるのかな?と思ったのですが、音源を聴いたときに想像以上にオルタナティヴで音がでかくてびっくりしたのを覚えてます(笑)。

初めてライヴを観たときに〈これだ!〉と思うくらい心を掴まれました。音がクソでかいし、めちゃくちゃエモいのに凄くスタイリッシュで、観ていて爽快だったな。そして何より商業的なものに対してニヒルでちょっと批判的なスタイルの表現方法がとてもスリリングでニヤニヤしちゃいました。

現在でも彼ら/彼女らのスタイルはサイケデリックだったり、ゴシックだったり、オルタナティヴだったり、音楽的なバックボーンは持ちつつも、型にとらわれずに自分たちの形で、何にも媚びずに表現をしています。かといって、聴きづらい音楽性というわけでもなく、気持ちの良いフックを持った音楽性でもあります。この独自でオルタナティヴな音楽表現は、ベースメントに出ているどのバンドとも違うもの。いまのところ決まっているライヴはないのですが、ぜひともそれを近いうちに体験してもらえると嬉しいです!

 


下北沢BASEMENTBAR
住所:東京都世田谷区代沢5-18-1 カラバッシュビルB1F
TEL:03-5481-6366(16:00~)
FAX:03-5204-9120
E-mail:basement@toos.co.jp