COLUMN

JINTANA & EMERALDS 『Destiny』

エメラルドの街に吹き込む、ブリージンでエキゾティックな蜜の味

JINTANA & EMERALDS 『Destiny』

 妖しげ/怪しげなこのエメラルドグリーンの集団を、知っている人はとっくに知っているどころか、長いこと心待ちにしていただろう。オールディーズ・グループばりの出で立ちから想像できる通り、懐かしくもフレッシュな新感覚のドゥワップをスウィートに聴かせるJINTANA & EMERALDS。2011年の末にワム!のカヴァー音源“Last Christmas”のフリー・ダウンロードという形で姿を現した彼らは、横浜のPAN PACIFIC PLAYA(PPP)のスティール・ギタリスト、JINTANAの率いる6人組。翌2012年に発表された7インチ・シングル『Honey/Runaway』は早耳の奪い合いによってすぐさまソールドアウト。そこからしばし間を置いてこのたびようやく完成を見たのが、これまた素晴らしき甘露の名品となったファースト・アルバム『Destiny』なのである。

JINTANA & EMERALDS Destiny PPP/Pヴァイン(2014)

 柔らかなスティール・ギターの音色に乗せて往年のガールズ・グループばりの歌唱を聴かせるのは3名の女性たち。トレンディー・ヒロインとしてお馴染みの一十三十一、本業は女優のあべまみ、そしてソングライターとして最近は三浦大知露崎春女Weather Girlsらに詞曲を提供しているカミカオル——そんな3人の織り成すマジカルなコーラスがキッチュに見えがちなコンセプトに説得力を持たせているのは言うまでもない。そして、サイドをしっかりと固める男性陣は、(((さらうんど)))でも活躍するCrystal、PPPには欠かせないギタリストのKashifだ。

 そんな6人の紡ぎ出す麗しいエメラルド・シティーの物語は、今回の『Destiny』でようやくその全容をあきらかにしはじめた感じだ。PPPからはLUVRAW & BTBも参加。フィル・スペクターの音壁に囲まれたマーティン・デニーというか、架空世界のサウンド・リゾートを気取る作品はこれまでにもあったが、ここにあるドリーミーな音世界は個々の没入度が違う、コスプレのふりをしたクォリティー・ポップ……なんてヤボは心にしまっておいて、のんびりレイドバックするのが正解だろう。


【参考音源】JINTANA & EMERALDSの2012年作"HONEY / RUNAWAY"ダイジェスト版

 

▼JINTANAの楽曲を収録したPPPの作品

上から、2009年作『PAN PACIFIC PLAYA 2』、2011年作『PAN PACIFIC PLAYA Presents "OLD FASHION VOL.1"』(共にPAN PACIFIC PLAYA)

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 ▼関連作品

左から、一十三十一の2014年作『Snowbank Social Club』(Billboard)、Crystalが属する(((さらうんど)))の2013年作『New Age』(KAKU-BARHYTHM)、あべまみ出演映画のDVD「009ノ1 THE END OF THE BEGINNING」(東映ビデオ)、カミカオルが詞を提供したWeather Girlsのニュー・シングル“Tomorrow World”(ポニーキャニオン)、Kashifが参加したDORIANの2013年作『midori』(felicity)、LUVRAW & BTBの2011年作『HOTEL PACIFICA』(PAN PACIFIC PLAYA/VYBE)

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