屈指の歌力を誇るR&Bシンガーの3年ぶり新作は、長らく在籍したヴァーヴを離れ、自主レーベルからBMG経由で登場。ディアンジェロの“Untitled”を彷彿とさせる熱量の高い先行曲“Anything For You”をはじめ、ネオ・ソウル風味も含みつつオーセンティックなミッド〜スロウ中心の楽曲を自在に歌い込み、シンガーとしての地力を改めて見せつけてR&Bフリークの心に火を付ける。今回もレックス・ライドアウトに采配を委ねつつ、こちらも盟友のアイヴァン・バリアスが手掛ける未来派フィリー・ソウル“Where I Am”や、ロバート・グラスパーのピアノが効いたジャジー・ヒップホップ的な“Wake Up”、軽妙ブギーを強い歌でドライヴさせる様がチャカ・カーンかのような“WKND”まで、曲の良さも出色。