今作をもってネルソンスとボストン響によるショスタコーヴィチの交響曲全集録音が完結した(DGではひとりの指揮者による初の全集となった)。今回の3枚組では国内盤のみ初回生産限定でSACDハイブリッド盤となっており、作品の音響的にも相応しいかも知れない。特に初期アヴァンギャルド的な交響曲第2、3番は、これまで盤歴としても所謂アメリカの超メジャーオケの録音自体が存在していなかっただけに貴重。ボストン響のバランス良い音色と、超絶的に難易度が高い2曲を難なく演奏する様は爽快とも言える。ラトヴィア生まれのネルソンスによる現代的な作曲者像としての理想的な全集として、広くお勧めしたい。