REVISITED NEW PAST
新録作と同じように楽しみたい、〈新しい過去〉の名盤・名曲たち

 松任谷由実の新作『ユーミン乾杯!!~松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム~』のキャッチコピーに〈懐かしい未来、新しい過去〉という言葉が記されていて、確かに、ある程度のどんな時代の音源でも誰もが自由に聴けるようになった時代だからこそ、そのコピーと同じようなことを感じる機会は増えているように思う。

 2023年秋の社会的なトピックとして思い出されるのはビートルズ最後の新曲という触れ込みの“Now And Then”だが、これをどう捉えて聴くかは人によってさまざまだろう。もっと言えば同曲の復元に伴ってリマスターされた〈赤盤〉〈青盤〉も人によってはまっさらの新譜に違いないわけで、そうなってくるともはや〈新しい過去〉と〈新しい未来〉の差は受け手にとってあまり関係ないものになってくる……と同じようなことを毎年ダラダラ書いているわけだが、聴く人それぞれのタイミングにとっての新発見を思えば、それがいつ録音されたものかは関係なくなって、その情報や知識や情緒は個人のリスナー遍歴に委ねられるということだ。

 そんな気分を踏まえて2023年のリイシュー/編集盤/発掘音源/リイマジネーション作品など、過去のレガシーを活かした作品たちを振り返ってみると豪華な顔ぶれによる名盤だらけである(当たり前だ)。もし聴いたことのない作品があれば、それは〈新しい過去〉であって、新録の作品と同じようにあなたの前に開かれているのである。

 ……てな感じで、次回の年末特集ではこのあたりの作品もちゃんと紹介したいなと思った次第です(あれば)。