大胆に音楽性をアメリカーナへとチェンジした前作『Saint Cloud』(2020年)が各方面で絶大な評価を得たアラバマの女性シンガー・ソングライター。満を持して届いたニュー・アルバムはアンタイに移籍してのリリースで、内容は引き続きアメリカ南部への郷愁に駆られるフォーク/カントリー作品となった。ジェフ・トウィーディーの息子、スペンサー・トゥイーディーが披露するアーシーなドラムをはじめ、乾いた質感の演奏も素晴らしいが、特筆すべきはやはり彼女のヴォーカル。自然体な歌声はいままで以上に感傷的で、まるで水を得た魚のように活き活きしている。前作に勝るとも劣らない傑作と言っていい。