INTERVIEW

MAMMAL HANDS 『Animalia』

地図は破られた。壁は崩れ去った。そして僕たちは、共存していく

(C)Simon Hunt

 

 「特定のジャンルに捉われないという点で、僕たちにピッタリの名前じゃないかな」。”哺乳類の手”という不思議な名前を持つバンドのこの発言は、その在り方を明確に示しています。例えばサックス+ピアノ+ドラムという特殊な編成、即興と構成の配列、変拍子やポリリズムの積極的な導入。これらの一見散漫な要素が共存し、様々な解釈を許す寛容さも備えていることは純粋な驚きではないでしょうか。

MAMMAL HANDS Animalia Gondwana(2014)

――作曲はどのように行うのでしょう?

 「アイデアを出し合い演奏しながら全員で作曲しているよ。楽曲の色彩が僕たちの間で共有され、自然な形にまとまっていくんだ」

――楽曲名はどれくらい具体性を持つのでしょうか?

 「例えば“Kandaiki”はクレタ島北東部にあるイラクリオン、有名なクノッソス宮殿がある町の古名なんだ。町の遥か昔のことをイメージして名付けた。タイトルは楽曲の質感と僕たちの気分を反映している」

――ドラムンベースやヒップホップの影響からリズムを細分化することが多い現代ジャズに対して、あなたたちの特異点はミニマルや現代音楽からの影響が強いことです。そう、ジョニー・グリーンウッドも演奏していたスティーヴ・ライヒの『レディオ・リライト』はもう聴きましたか?

 「聴いたよ! 新作はもちろんだけど、彼の曲では《18人の音楽家の為の音楽》や《ディファレント・トレインズ》も好きだよ。ジョニーと言えば、ペンデレツキとの作品も大好きだ」

――ペンデレツキはポーランド出身ですが、クラシックとポップミュージックが密接に融合したポーランドのシーンはあなたたちとも共鳴していますね。他に注目している演奏家を教えていただけますか。それと、日本でポリリズムを牽引してきた菊地成孔のことはご存知でしょうか?

 「ポーランドのスカルペル、それにティグラン・ハマシャンアントニオ・ロウレイロアヴィシャイ・コーエンオマー・アヴィタルの大ファンだよ。菊地成孔のことは知らなかったけれど、YouTubeで聴いたダブ・セクステットのサウンドには引き込まれてしまった…本当に素晴らしいね!」

――インターネット以降の感性において、世界中の音楽の間に存在してきた壁を崩し再考しているような印象を音楽から持ったのですが…今後の方向性は?

 「それに答えるのは難しいなあ。今まさに次回作の作曲をしているんだけど、僕たちのサウンドは日常的に変化し発展しているんだ。あとはその日々の積み重ねをどれだけ楽しむかが大切なんだよ」

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