DISC GUIDE

主宰のParanel、No Gimmick Classicsら、LOW HIGH WHO?の最高にユニークな作品たち(後編)

【LOW HIGH WHOの新たな旅立ち】 Pt.4

daoko UTUTU EP LOW HIGH WHO?(2013)

アルバムの好評を受けてか、1年足らずで発表されたEP。新曲となるDJ6月プロデュースの“真夏のサイダー”は名が体を表した甘酸っぱい青春チューンで、Paranel“蛇の心臓”(2008年)のカヴァーも彼女の唱法にマッチしている。一方でJinmenusagi“ぐちぐち”のリメイクには後ろ暗いアングラ感も漂っていておもしろい。 *出嶌

 

 

Momose ME.LO.DY. LOW HIGH WHO?(2013)

長野は松本出身のラッパーのファースト・アルバム。メロディアスなフックも聴かすラップと、曲により強まる歌詞の叙情性は、LOW HIGH WHO?にあって指折りのポップさと言えようか。街を濡らす恵みの雨に幸せな恋模様を重ねていく“Puddle”は、その得意のスタイルがジャジーで小粋なトラックに溶け込んでいる。 *一ノ木

 

 

Jinmenusagi 胎内 LOW HIGH WHO?(2013)

レーベルメイトのDubbyMapleを制作の中心に据えた3枚目のフル作。〈ハードかナード片方に振り切ってない〉(“Jinmenusagi”)といった言葉で、時に挑発的に、時に露悪的にその姿を伝えていく。すべてに中指を立てるリリックを歌うようなサビに乗せた“Oh Oh”は、ゆったりとしたスタイルに自慢のフロウが活きる一曲だ。 *一ノ木

 

daoko GRAVITY LOW HIGH WHO?(2013)

トレードマークのウィスパー・ヴォイスのみならず幅を広げたヴォーカル表現が、アグレッシヴな音楽性や、エキセントリックさと攻撃性の裏表と共に大いに進化を感じさせた2枚目のフル作。エモーショナルに絞り出す歌唱が耳を引くダビーな“BOY”は、パフォーマーとしてのスケールアップを記した本作の白眉。 *一ノ木

 

 

Paranel タイムリミットパレード LOW HIGH WHO?(2014)

NEL HATE名義での初作から9年、レーベルの首謀者がみずからの音と言葉でもってしたためたソロ作。ラップともポエトリー・リーディングともつかない繊細な語り口と優雅さを感じさせるスロウなビートで紡がれるのは、彼が脳内に作り上げた〈町〉の物語。ヒップホップを起点にどこまでも想像力を膨らませるスタイルはまさにLHW?的。 *北野

 

 

不可思議/wonderboy 不可思議奇譚 LOW HIGH WHO?(2014)

 特典CDやライヴ会場でしか入手できなかったレア音源を集めた小品集。とはいえ、不戦の思いを父と子の対話劇に託した“この海の向こうに”、洪水のように溢れる言葉の波にラッパーとしての矜持を滲ませた“talk about spoken words”といった名曲も含み、彼のワンダーを埋める重要なピースと言えそう。 *北野

【参考動画】不可思議/wonderboy “銀河鉄道の夜”路上ライヴ映像

 

 

DJ6月 バッテンウルフ LOW HIGH WHO?(2014)

不可思議/wonderboyの勝手リミックス音源がParanelの耳に留まってLHW?入りしたというトラックメイカーの初作。daokoやJinmenusagi、waniwaveGOMESSら同僚に加えて狐火レイトなど、ほぼ全曲にMCが迎えられており、主役のメロディアスかつジャケ同様のどぎつい色彩感の作風との対比も際立つラップ・アルバムだ。 *北野

 

 

Utatane/Nayuta グリーン LOW HIGH WHO?(2014)

不可思議/wonderboyの遺した機材を譲り受け、彼の作品の主要プロデューサーと制作してその命日に発表……と、故人への心酔ぶりを窺わせる滋賀県在住のラッパーのCDデビュー作。21歳の大学生の等身大を衒いなく誠実に、〈好きな人の小さな部屋を暖かくできる音楽〉(“僕の望むものは”)とするべく綴った全14曲。 *一ノ木

 

 

GOMESS あい LOW HIGH WHO?(2014)

 〈高校生ラップ選手権〉で脚光を浴びた静岡のラッパーによる初作。フリースタイルがベースになったというレコーディングが初期衝動を生々しく伝える。心痛めた過去を、幸せに溢れたいまと照らしてなお、消化しきれぬ思いを赤裸々に吐露していくParanelとの“笑えてた”は、心突き刺す渾身の一曲だ。 *一ノ木

 

 

No Gimmick Classics PPH LOW HIGH WHO?(2014)

 レーベル初となるバンド・アクトの初作。3ピースのタイトな演奏が導き出す風通しの良いグルーヴにラフ&タフなラップと歌が乗る音楽性は、LHW?のなかでは異色と言えそう。でも、表題曲のGOMESSを迎えたCOASARU製のリミックスは『Check Your Head』期のビースティ・ボーイズっぽい雰囲気も。 *北野

 

 

Jinmenusagi LXVE 業放草 LOW HIGH WHO?(2014 )

 いがらっぽい声のデリヴァリーやスキルで確立したキャラに加え、具体性を増したリリックでその身を引き寄せた4枚目のフル・アルバム。ラッパー的な立ち居振る舞いと私生活との板挟み~死後まで描くアルバム構成で、その内容をより広いリスナーに開く本作を経て、レーベルからの離脱を宣言。今後はどんな物語を描く? *一ノ木

 

 

DubbyMaple SNS(Super Natural Sequence) LOW HIGH WHO?(2014)

 Jinmenusagiやdaokoらレーベル関連作へのトラック提供に留まらず、TREKKIE TRAXからもEPリリースのある岩手のトラックメイカーが、全編インストで送るファースト・アルバム。ジュークヴォーグゴルジェからLAビート・シーンとリンクするような曲調まで、現行トレンドを踏まえた作りがふるっている。 *一ノ木

【参考音源】TREKKIE TRAXよりリリースされたDubbyMapleの2014年のEP『Path Of The Bass EP』

 

★LOW HIGH WHO? 特集記事一覧はこちら

タワーアカデミー
pagetop