INTERVIEW

DOBERMAN INFINITY、激しくも華麗な攻撃性と力強さフル装備した情熱的な初フル・アルバム『THE LINE』を語る

DOBERMAN INFINITY、激しくも華麗な攻撃性と力強さフル装備した情熱的な初フル・アルバム『THE LINE』を語る

無限大の可能性を掲げ、新たなスタートを切った5人が歩む一本のLINE。自身とリスナー、過去と現在と未来を華麗に結び付けていった先で辿り着くNEO STREETには、大きな夢が広がっている……!

さまざまな点を繋ぐLINE

DOBERMAN INFINITY THE LINE トイズファクトリー(2015)

 昨年6月、ラップ・グループとして十分なキャリアを持つDOBERMAN INCに、ラッパーのSWAYとヴォーカリストのKAZUKIが加入。DOBERMAN INFINITYと改名し、ミニ・アルバム『#PRLG』を同年11月にリリースして進撃のスタートラインに立った5人。彼らが作り上げた初のフル・アルバム『THE LINE』は、ときに激しく、ときに華麗な攻撃性と力強さをフル装備した情熱的な一枚だ。そのタイトルは、ファースト・シングル“SAY YEAH!!”を制作している頃にSWAYが提案したという。

 「まずジャケットに使った〈THE LINE〉っていうロゴが図案としてパッと浮かんだんです。それと、“INTRO”で僕が歌ってる〈点と点が結びついて線に変わる〉という歌詞は、昔、知り合いのおじさんに言われたことで。人生、1個ずつ点を打ち続けていれば、振り返ったときにそれが大きな線になってるから、先を見るんじゃなく、一個一個、大きな点を打てるように〈いま〉を生きなさいと。まさにDOBERMAN INFINITYはそうだなと思って」(SWAY)。

 「メンバーそれぞれのストーリーがあって、5人が生きてきた線がひとつにまとまって、その先に〈アリーナ・ツアー〉という目標が出来たから。本当に〈THE LINE〉というのは、自分たちにぴったりの言葉だと思っています」(GS、MC)。

 セカンド・シングル“JUMP AROUND ∞”では、ハウス・オブ・ペインの92年産クラシック“Jump Around”を日本語カヴァーして注目された彼ら。オリジナルの表現を重要視するヒップホップでは、洋邦問わずカヴァーはあまり見受けられないが、彼らはそのパンドラの箱を開けて多くの反響を呼んだ。

 「デビューする頃に〈名曲をカヴァーすればライヴで盛り上がるんじゃない?〉という話になって、〈それなら、“Jump Around”は鉄板で盛り上がる曲だからやってみよう〉っていう流れで作ったんです」(KUBO-C、MC)。

 「僕ら的には〈どうなん?〉っていうよりは〈おもしろいっすね〉って。世の中に前例がないのであれば、やってみる価値はあるから」(GS)。

 そんな話題曲で先導しつつ、本作には“XROSS THE LINE”“ON WAY HOME”という2つのリード曲もセットアップ。前者は煽情的なヒップホップ、後者は開放感に満ちたナンバーとサウンドは対象的だが、ニコイチみたいな関係で密接に繋がっている。

 「〈DOBERMAN INFINITYの夢に付いていきます〉と言ってくださる方々もいて、今回の〈THE LINE〉は僕ら5人だけが超える線ではないと思ったんです。“XROSS THE LINE”の歌詞も、〈これからはみんなで線を超えていこう、みんなでボーダーを壊していこう〉という思いで書いていて」(SWAY)。

 「“ON WAY HOME”は〈帰り道〉っていう意味。でも、〈家に帰る道〉というよりは、〈次に向かう、先に進む道〉っていうテーマで書いたんです」(KUBO-C)。

 「“ON WAY HOME”の1番の歌詞はライヴに来てくれるファンの人たちに対して歌っていて。2曲で応援してくれる人との繋がりと、〈これからこの道は未来に繋がる〉っていうことをしっかり詰め込められたなと思ってます」(GS)。

 

近未来のストリート

 新奇なサウンドに耳を奪われる“NEO STREET”は、最近Google AndroidのCM曲を手掛けたDJ/プロデューサーのbanvoxがトラックメイク。主たる印象はスペイシーなトラップという感じだが、ニューウェイヴィーなシンセやテクノ、EDMの要素も入っているし、サビのメロはとてつもなくキャッチー。ラップも歌も挑戦作であり自信作だと語る。

 「いまのヒップホップと、自分たちが本当に大好きな(主に90年代の)ヒップホップ、その2つが表現されてるなって。ラップのフロウは、それぞれがすごく自由に個性全開でやってるし、僕らの〈いま〉でもあり、未来への新しい試みでもあると思います」(GS)。

 「この曲のブリッジ部分は、あれだけおもしろいサウンドでずっと疾走してきてからの落ち感がヤバイと思う。そこは〈この曲のイメージを全部変えてやる〉っていうくらい違うキャラで歌ったので、ぜひ聴いてほしいです」(KAZUKI)。

 そして、この〈NEO STREET〉という言葉には、彼らの理念も込められている。

 「EXILEさんが〈NEO TOKYO〉なら、僕たちは〈NEO STREET〉。ストリート上がりの僕たちにとっては、これから近未来のストリートを描いていくのがおもしろいんじゃないかって思ってるんです」(SWAY)。

 EXILE SHOKICHIがKAZUKIに贈った“LOVE U DOWN”は、本作で唯一の、ラップなしのR&Bバラード。彼氏がいる女性を好きになってしまった男の切なくも激しい恋心が描かれている。

 「SHOKICHIさんに、〈KAZUKIに恋愛が成就する歌はまだ早い〉と言われ……。〈今夜は君を奪いたい〉とか歌ってるんですけど、オラオラ系でもなくて、まだ青い感じが出てる。SHOKICHIさんにはいまの自分がそう見えてるのかなと(笑)」(KAZUKI)。

 反対に、KAZUKI抜きの4人がマイクを回す“BLACK & RED”は、スラッシュ・メタル×ヒップホップのアグレッシヴな曲。また、別方向のアグレッシヴさを「あえて狙った」(P-CHO、MC)という“So White So Bright”はゲレンデ・ソングにはラヴソングが多いという傾向に一石を投じるキラキラとギラギラが交差するバウンシー・チューンで、「スノボウェアを着ながらみんなでレッドカップを持ってパーティーしてる画が見えました」(SWAY)と語る。かと思えば、爽やかなアコギが印象に残る開放的なEDMナンバー“to YOU”もあったりと、本作のサウンドは本当に幅広い。

 「曲調がいろいろで飽きない一枚だと思うし、歌とラップのグループだからできることをたくさんやれたなと。ライヴを想定して作ったので、いまはライヴが本当に楽しみです」(KAZUKI)。

 来年には、今作を引っ提げて5大都市を回るZeppツアーが決定。冒頭では『#PRLG』を〈進撃の始まり〉としたが、むしろこのアルバムをスタートラインにして、DOBERMAN INFINITYのさらなる快進撃が始まるのだ。

 「アルバムを作り終えて、DOBERMAN INFINITYとして大きな土台が出来上がったかなと思っています。なおかつ、『THE LINE』というアルバム・タイトルは自分たちにとって今後のテーマ、目標にもなったなと思います」(P-CHO)。

 「〈無限の可能性に挑戦していく〉という意味を込めてグループ名を付けたので、夢を追いかける姿をしっかり見せていきたいんです。僕らが〈アリーナ・ツアーをやりたい〉と常に言い続けてるのもそのひとつ。言い続けることで、やり続けることで、願い続けることで、何かひとつ形になって、その点をいっぱい作っていくことで線が出来て、その線の先に夢に向けた道が出来ていく。それを身をもって証明していくべきだと思うので。僕らの夢であるアリーナ・ツアーが、みんなの夢にもなるように。このアルバムがその思いを繋げる一枚になってくれたらいいなと思います」(GS)

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